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コロナで春節イベントの中止・変更相次ぐ

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今日(2月2日)、オフィスビルの管理事務所から、「春節(旧暦のお正月)の祝賀イベントは中止します」との通知が届いた。

 

春節は、香港人にとって(中華圏にとって、でもある)、一年で一番大切な年中行事だ。日本人はお正月を迎えて気持ちを新たにするが、香港の場合はそれが春節というわけ。で、今年の場合は、2月12日に旧正月の元旦を迎えて、丑年の2021年がスタートする。

 

春節を迎えると、オフィスビルや商店街には獅子舞やら、神に扮した財神(お金儲けの神様)やら、縁起のいい物や者が現れて、お祝いムードを盛り上げる。商売繁盛を願って、店やオフィスの中にはわざわざ彼らを招き、福を呼び込むパフォーマンスをしてもらい、ご祝儀を渡すところもある。そんな春節のイベントを、私が勤める会社が入っているオフィスビルでは、新型コロナの感染防止のために中止するという。

 

同僚は「仕方ないよ。このご時世では」と、サバサバしていたが、香港では他の春節イベントも、コロナ禍で対応の変更を余儀なくさせられている。

 

例えば、例年なら、多くの市民が参拝に訪れる「黄大仙祠」も先日、99年ぶりに旧暦大みそか(2月11日)深夜に行われる初焼香を一般公開しないことに決めた。今年は12日午前零時に元旦を迎えたら、黄大仙祠の管理団体幹部らが信者を代表して、本堂で最初の焼香を捧げ、香港市民のために祈祷するそうだ。

 

代わりにその様子をテレビやソーシャルメディアで生中継するのだそう。毎年、零時とともに先を争って本堂に向かい祈祷する市民の姿が春節元旦の風物詩だが、今年はその光景が見れなくなった。参拝時間は、午前7時30分から午後6時に限定し、社会的距離を保つよう促すそうだ。

 

他にも、願い事を書いた紙を大木に投げて、それが木にかかると願い事は叶う、との言い伝えがある村も、例年なら春節時期は大勢の市民で賑わうが、村への入場を禁止した。

 

街中では春節飾りや春節前の割引セールが始まっているが、2021年の春節は、例年よりも相当地味なものになりそうだ。