香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

香港の醍醐味

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先日、久しぶりに仕事帰りにチムシャツイのビクトリアハーバーに行ったら観光客でごった返していた。



コロナ禍だった頃は、観光客は香港に入境できなかったし地元客もまばらで、ここはハーバーの夜景をほぼ独占状態できる場所だった。なので、私にとっては、のんびりとビールを飲見ながら夜景を楽しむ贅沢な場所だった。

 

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コロナ禍と同じ調子で立ち寄ったものだから、ビールとおつまみのほかに、マックでチキンナゲットやフライドポテトまで買い込んでしまっていた。空いてるスペースに座って友達とプチ宴会を始めていたら、隣に1人で座った西洋人の若い女性が程なくして英語で「マックはこの近くにあるの?」と聞いてきた。「うん、すぐそこ」と言ったら彼女は「私買ってくる。戻ってくるまでこの場所取っといてもらえる?」というので「うん、いいよ!」と言って、彼女の座っていたところに私が座りこんで場所を確保していた(何せ夜8時から光のショーが始まるから人がどんどん増えてきた。空いているスペースがあると座られてしまうから)

 

以下、戻ってきた彼女と私達との英語での会話

「ありがとう」

「マックの場所わかった?」

「うん、お客さんが多くてずっと並んで待っていたの」

「良かった。あなたは何人?」

「イタリア🇮🇹人よ。でも上海から観光で来たの」

「上海!?」

「今上海の大学でマーケティングを勉強しているの」

「へぇ〜、授業は何語?」

「英語」

「私は香港に住んでる日本人。イタリアも大好き。昨日もイタリアンレストランで晩御飯食べたわ」

「へー、香港のイタリアンはどう?あなたは広東語を話すの?私は広東語は話せないけど普通話(標準中国語)は話せるわ」

「うぁ、英語だけでなく普通語もできるんですね!」(というのはイタリアに旅行に行った時に英語が通じない印象だったから)

 

(以下、普通話。彼女は流暢な普通話を話し始めた)

 

「どこで中国語を勉強したの?」

「イタリアの大学で3年間中国文学を勉強していたの」

「で、今は上海でマーケティングを?。上海の生活はどう?」

「とても楽しいわ。香港もとてもいいわね!大学は6月に卒業するの。そしてそのまま中国で仕事をするの。西安にある企業に就職する予定なの」

「すご〜い。西安に行くの!」

「うん、ソーラーシステムの会社なの」

「イタリアにも進出している?」

「欧州に進出しているけど、イタリアにはまだ」

 

 

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私はここで、中国を目指してやってきた彼女もすごいけど、社会人として初めて就職するのが海外(中国)の企業ということ、西安の企業がソーラーシステムで海外に進出していること、彼女は中国企業のマーケット拡大の未来を託されていることなど、世の中がとてもダイナミックに動いていることを改めて気付かされた。

 

彼女はこれから、マーケティング知識や中国語を活かして欧州や中国で仕事や人生の幅を広げていくんだろうな、と。素直になんでも吸収していく感じのとてもチャーミングな女性だった。

 

そして、ふと思った。偶然隣となった人とこんな会話ができるのが香港の醍醐味なのだと。やっぱり香港という街は色んな人をひきつけるのだと。



 

 

香港もようやくマスク着用義務を廃止

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世界で最も長いと市民の間で批判の声が上がっていたマスク着用義務が今日(3月1日)、ようやく解除された。

 

新型コロナの感染例が出ると、多くの市民が自発的にマスクを着用していたが、香港政府はその後マスク着用を義務づけ、違反したら罰金5000香港ドルを課していた。その期間、実に約2年余り、日数にして959日間だった。

 

これにより、公共交通機関の車内、屋内や屋外の公共の場所で、マスクを着用する必要がなくなった。


ただ医療施設、高齢者・障害者向けのケア施設などに入る場合は、マスクの着用が必要だ。また、呼吸器疾患がある人や免疫力が低下している人、慢性疾患のある人が換気の悪い場所にいるときは、マスクの着用が推奨されている。

 

今朝通勤時に周りを見渡すとまぁ9割以上の市民はマスク着用で出勤していた。私もその一人。今やすっかり習慣化しているし、今はまだ人混みの中ではやっぱりマスクをしておこうかな、という気持ちが強い。西洋人はやはり、マスクなしで歩いている人が多かった。

 

会社でもみんなこれまで通りマスクしながら仕事していた。しばらくはマスクをしながら周囲の様子を見るとか、手持ちのマスクが無くなるまではマスクをし続けるという人が多いらしい。

 

とはいえ、マスク着用義務の撤廃を受けて、マスクの投げ売りも始まった。

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(オンラインで販売されているマスクも値下げ)

 

また、コロナ感染者を隔離するために設けられた、竹嵩湾の隔離施設は今日で閉鎖された。この施設ではピーク時は約8000人が収容されるなど、延べ27万人が隔離されたという。

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(竹嵩湾の隔離施設の閉鎖式。後ろの看板には任務完成と書いてある。写真はRTHKニュースのもの)

今はマスクはしているとはいえコロナのことなど気にせず生活している感じ。マスクの価格が高騰したり「隔離施設に行きたくない」などと騒いでいたのがもはや遠い昔のようだ。

 

香港に春節の賑わいが戻ってきた!

 

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香港に正月が戻ってきた!大晦日の花市といい、春節を迎えて赤い服を着た老若男女が街を闊歩する光景といい、街に流れるお正月の音楽といい、あーこれこれ。ようやくこの光景が戻ってきた!

 

で、私は正月元旦(1月22日)は友達とランタオ島にハイキングに出かけた。気温は20度程度。お昼ごろから日差しは強くなってきたけど、青空が広がるハイキング日和。香港人は元旦行事でハイキングどころではないから、写真のように目の前に広がる山々を独占。この3年ほどコロナ禍でどこもかしこもハイカーでいっぱいだったが、この日はご覧のように人の姿がない。周囲を気遣うことなく、友達とおしゃべりしながら思う存分歩くことができて気持ち良かった〜!

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で、帰宅した頃にはこの夕焼け。もう最高!
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🐰🐰🐰🐰🐰🐰🐰🐰

翌日の正月2日目(1月23日)は黄大仙に参拝に出かけた。やっぱりというか想像以上の人出で廟に入るまでは長い行列に並んだ。そしてその後の光景もコロナ前と変わらなかった。

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占い師に占ってもらうことを唱えながらおみくじを引く参拝客らのエリアもいっぱいだった。


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祈る市民の姿も懐かしい。コロナ前と同じ。


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参拝を終えて出口に向かう市民ら。


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左側がこれから参拝する人。右側が参拝を終えた人。

 

🐰🐰🐰🐰🐰🐰🐰

 

なんとなんと、私の干支が今年は良くない年周りということで、特別参拝館(厄祓いの特別室)に無料で入れてもらって祈祷ができた。なんだかすごく得した感じで、気分が上がってきた。

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🐰🐔🐲🐀🐴は厄年だそうで、この年の生まれであることを証明する証明書を出せば無料で入館できると書かれた横断幕。


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身分証を見せて、もらった無料券。これを手にして特別館に入館する。


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左は私が買ったお線香。右は無料券と引き換えにもらった厄祓い用のお線香3本が入ったもの。これも無料だった。で、まず正面の神様に祈祷し、次に左側の神様に、そして右側の神様に線香をあげる。神様は左右にずらりといらっしゃった。このうちの一本は必ず、自分の生まれた年に相当する番号の神様のところに立てるというものだった。

 

この厄祓いが奏を効して良き一年になることを期待したい。

高速鉄道西九龍駅も再開

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コロナ禍で香港と中国本土との行き来が閉ざされて運行停止をしていた高速鉄道・西九龍駅が2023年1月15日、ほぼ3年ぶりに運行を再開した。1月8日に深圳との通関が再開したのに続き、香港と本土との距離がまた縮まった。


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帰宅途中に立ち寄ってみたら、夜ということもあって人はまばら。それでも、鉄道を使って中国本土に向かう人たちが改札を潜り抜けていく。手を振って見送る人や開通記念の看板を背に記念写真を撮っている若者もいた。

 

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駅構内には、運行再開を伝える巨大看板が柱に掲げられている。


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時刻表も表示されている。

 

 

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前売り券の販売エリアでは行列ができていた。

 

地元ニュースによると、この日1万人以上が高速鉄道を利用して本土に向かった。香港から本土に行くには48時間以内のPCR検査での陰性証明が必要だが、隔離の必要はなくなった。このため、春節を前に故郷に帰ったり親戚を尋ねるという人などが北上している。マカオもコロナの規制を緩和したため、観光需要を見越してマカオー香港間でフェリーやバスが運行を再開した。

 

香港にどれぐらいの中国人が南下してくるから未知数で、小売店は歓迎の意向を示しつつも手探り状態だ。私としては、中国人観光客の消費ばかりに依存するのはいい加減やめて、新しい観光の魅力を開発していって欲しいのだけど。

 

まぁそれでも少しずつでも、香港とマカオや本土がつながり始めているのはいいことだ。



春節モード高まる花屋街

香港

 

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春節(旧正月)まで2週間を切った1月8日の日曜日。花屋が集まる九龍・太子(プリンエドワード)の花墟には正月飾りの花を求めてやってきた市民でごった返していた。新型コロナの規制が緩和され、コロナでこれまで長いことトンネルの中にいた香港に、ついに、ようやく、春節気分が戻ってきた!

 

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(やっぱり胡蝶蘭が定番で人気)

 

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(最近は日本の正月飾りをヒントにした飾り付けも登場)

 

折しも今日から深圳との通関も再開し、多くの市民が香港から深圳を通って、本土に北上した。逆に深圳の通関から多くの中国人が香港に南下して来られるようになった。

 

今日のTVニュースで深圳に隣接する地域の薬局の店員は、「(開通後の)中国人買い物客は多くない。本土は依然コロナが流行しているから一気に中国人買い物客がやってくることはない。春節休暇になったらもう少し中国人客が増えるだろう」との見通しを語っていた。

 

本土からの人の流入が増えれば香港でのコロナ感染者が急増するのではないかとの予想もあり、通関の再開が経済や市民生活にどう影響するかしばらく様子見の状態だ。

 

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(色とりどりの胡蝶蘭)


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(春節に着る洋服を買い求める市民)


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(正月飾りを買い求める市民)


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=====ちょっと昨年末を回顧======


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(カウントダウンで年が明けた香港)

 

昨年末のクリスマスはクリスマス飾りが華やかで多くの市民が街に繰り出していたが、卯年はこれまでコロナ禍で抑圧されていた鬱憤を晴らすかのようにさまざまな動きが活発化しそうだ。


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(華やかだったクリスマス飾り)

 

 

返還25年を節目に本にまとめてみた

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自費出版、しかも予算の関係で電子書籍だけど、香港の中国返還直前から返還25年まで、私が体験したり見聞きしたりしたことを一冊の本にまとめてみた。


これまで書いてきたものをベースにしているけど、「香港らしさ」をあたまの隅に置いて書いたつもり。振り返ってみるといろんな出来事があって、思わず懐かしく、愛おしくも感じた。


大げさだけど、香港社会が大きく変化し、消されてしまった情報が多々ある中で、一市民として、また時に外国人として客観的になりながらも、香港社会に身を置いた一人として、後世の人がその変化をみる一つの参考記録となるようなものを世の中に残したいと思った次第。(ホント大げさ😅)


ここ数年でこんなに急激に社会が変化するとは思わなかったけど、まさに歴史を観たなぁという感じ。時間がなくてバタバタだったけど、とにかく形にできてよかったなぁと思う。

暑〜い7月、記録的な暑さ

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気がついたら、1ヶ月ぶりの更新。最近はマッハのスピードで時間が過ぎていく感じだ。それにしても、暑〜い。

 

冒頭の各地の気温を示したイラストは、香港天文台のFBからの引用。それによると、昨日(7月25日)現在で7日間連続で気温が35度以上だったという。これは1884年からの観測史上、7月としては最長だというから、やっぱり暑い日が続いているんだ。

 

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(空はまっ青)

 

返還25周年を迎える前(つまり6月下旬)は雨続きで、25周年の前日(6月30日)には台風接近の警報レベルが3まで引き上げられたと思ったら、なんと7月1日には屋内退避を義務づける8レベルに達した。25年前の返還前日と返還の日は土砂降りだったけど、今回は台風かぁ。なんか大きな節目の年の7月1日前後は大雨が降るから不思議だ。香港人は雨を自分たちの心情に喩えたりしているが。

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(警報が解除された後に通りかかったSOGO。警報8が出たら小売店は、警報が解除されるまで閉店する)

 

で、天気が悪いなぁと思っていたのに、その後は一転してカンカン照りの日々。7月24日は香港の中心部は36.1度に達し、1968年7月25日の35.7度を上回り、7月としてはこちらも観測史上最高気温を記録した。しかも北部の上水地域では一時39度まで上昇したほか、打鼓嶺38.3度、跑馬地37.9度、赤鱲角37.4度、沙田36.9度,大埔、將軍澳、九龍も軒並み36.8度となるなど、複数の観測地点で最高気温を更新たそうだ。

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(7月24日の香港各地の気温、香港天文台から)

 

日差しは刺すように痛いし、風は吹いても熱風だから、ぬるい空気が皮膚に当たって気持ちが悪い。

 

しかしこの暑さ、7月末まで続く可能性があるというからまさに酷暑の夏。

 

しばらくは、屋内でクーラーをガンガンきかせて涼をとるしかない。漢方では体が熱い時は体を冷やす効果があるものを食べると良いとされている。ネットでググったら、果物ならスイカ、梨、キウイ、レモン、柑橘類など。野菜なら、空心菜、ほうれん草、大根、きゅうりなどの瓜系などがそれに該当するそうだ。こういうのも参考にしながら、この夏を乗り切っていくしかないな。