香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

コロナの新規感染者、3ヶ月ぶりに1ケタに

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2月15日、新型コロナウイルスの新規感染者が9人となり、3か月ぶりにやっと1ケタ台まで減少した。このうち4人は地元感染者で、うち3人は感染源が不明だ。また、この9人とは別に少なくとも10例が初期検査で感染と確認されており、香港政府衛生署は、市民に気を緩めないでと呼びかけている。(感染者数の推移を示すグラフは2月16日付「文匯報」)


クリスマス休暇も春節休暇も厳しい規制の中で、楽しいイベントが次々と中止となり、重たい空気が漂っていただけに、1ケタと聞き、ようやくここまできたか、という感がある。

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(例年に比べて閑散とした大晦日(2月11日)の花市)


しかし、市民の香港政府に対する視線は冷たい。政府は1月23日から突然、新規感染が確認された人が住む住宅ビルを封鎖して居住者全員のウイルス検査に乗り出すという、これまででは考えられない手法に乗り出した。そして林鄭月娥行政長官自らが、現地に赴き医療従事者を激励している。しかし、多くの市民の目には、「これらは一生懸命対策を取ってますという『演技』にすぎない」と映っているからだ。


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(封鎖されたジョーダン地区の一角)


「香港のコロナが心配」との親分の声を忖度したというのがもっぱらの見方だ。(私でさえ、本土に住む複数の中国人の友人(つまり一般市民レベル)から「なんで香港はコロナを抑えられないの?」と質問される。中国でさえ(おまけにマカオも)抑えられたのに、なぜ香港は抑えられないの? という思いがあるらしい。当然、中国政府だってそう思っているはず) 。

 

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(透明なボードで仕切られたテーブル)


それはさておき、政府当局が「油断しないで」と呼びかけたのは、(1)最近の減少傾向は、春節休暇を優先して病院に行くのを後回しにしていた市民がいると考えられること(2)4連休中に多くの場所が市民で混雑していたため、感染リスクが高まったことーーなどで、感染者数が再び増加に転じる可能性もあるためだ。

 

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(運気が良くなるようにと買い求められる風車)


今年の春節休暇は、海外旅行ができず香港で過ごすしかなかった。しかも、連休中は好天に恵まれたため、離島巡りやハイキングなど、人気スポットは市民で大混雑だったのだ。休暇中に感染した場合、休暇明け14日前後に感染確認が出てくる可能性がある。


ただ、政府は2月10日に、18日から一部規制を緩和すると発表している。レストランの店内飲食が午後5時59分から午後10時までに延長され、1テーブル2人までが4人までとなる。テーマパークやジム、エステサロンの営業も再開される。(これを受け、これまで自宅待機だった従業員が、仕事再開前にウイルス検査を受けるよう雇用主から命じられているようで、政府が設置した19のPCR検査センターのうち、16カ所は16日から3日間の予約がいっぱいだそう。)


予定では2月末からワクチン摂取も始まるが、クリスマスも春節も、夜の店内飲食が禁止だっただけに、18日以降はレストランにも客が戻り、少しは活気が戻ってきそうだ。

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(2021年、香港の運気は果たしてーーー)


(春節休暇中の新規感染者数)

2月15日:9人

2月14日:12人

2月13日:12人

2月12日:24人

2月11日:21人

2月10日:17人←2月18日からの一部規制緩和を発表

2月9日:26人

2月8日:32人

2月7日:27人

2月6日:19人

2月5日:37人

2月4日:22人

2月3日:19人

2月2日:25人

2月1日:34人

1月31日:53人

1月30日:28人

1月29日:50人

1月28日:39人

1月27日:60人

1月26日:64人

1月25日:73人

1月24日:76人

1月23日:81人← 早朝から九龍半島の佐敦地区の一部を封鎖。以後、感染者が住居する住宅ビルは封鎖。居住者全員のPCR検査を始める。

1月22日:61人

1月21日:70人

1月20日:77人