香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

コロナが変えた台風警報「8」の過ごし方

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8月19日。朝起きたら、前日夜に香港天文台が出した台風警報「シグナル8」が発動中だった。昨年までなら「やった!会社に行く必要がない」と、警報が解除されるまで、自宅でゴロゴロ寝ていたのだが、今年はそういうわけにはいかなかった。


コロナ禍でリモートワーク環境が整ったおかげで、会社に行かずとも家で仕事ができちゃうようになったからだ。仕方ない。朝9時から会社のノート型パソコンを立ち上げて、家で仕事を始めた。

 

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(無線電視のニュースチャンネルから)


香港は、台風の風速や風力、接近具合などによって、危険度を示すシグナルが1、3、8、9、10と5段階で表示される。「1」から引き揚げられていき、「8」以上は「外出が危険な状態」ということで、屋内の安全な場所で待機(つまり自宅待機)することが義務づけられている。公共交通機関はほぼ全て運行停止となるため、平日の仕事中であっても「8」が出たら、仕事をやめて、サッサと帰宅の途に着く。小売店も銀行も、店を閉める(最近は稀に営業を続ける店も出てきてはいる)。


逆に、「シグナル8」が解除されたら、2時間以内に出社しなくてはならない。大型台風でも朝から出勤する日本とは勝手が違うのだ。


「8」以上のレベルだと、木が倒れたり看板が落ちたり危険だから、外出をしないように自宅待機が義務付けられているのだが、この警報は、多くの市民にとっては「特別休暇」のようなもの。台風が近づくと「特別休暇」が舞い込んでこないか、ソワソワしながら台風情報に耳を傾ける。

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(Windy.comから)


前置きが長くなってしまったが、今回は台風「ハイゴス」(日本では台風7号だが、香港では名前で呼ぶ)の接近で、今年初の「シグナル8」と「9」が出た。


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「ハイゴス」の警報:

18日午後10時40分:シグナル8

19日午前1時30分: シグナル9

19日午前7時40分: シグナル 8

19日午前11時10分: シグナル 3

 

☆シグナル9の発令は約2年ぶり

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(シグナル8を伝える、RTHKによる香港天文台のニュースから)


今回の場合、午前11時10分に「シグナル3」に引き下げられた。昨年までなら、午前11時10分まで家で寛いだあと、2時間以内に出勤すればよかった。


しかし、今年は勝手が違った。これまでは、職場を離れて自宅で待機することが、特別休暇のような状態になっていたが、新型コロナの感染拡大でリモートワークが一気に進み、自宅待機中も労働できる環境が整ったからだ。


というわけで、私のように朝から仕事をしていた人もいれば、いままで通り、「8」が発動中は家で寛ぎ、解除とともにお昼から出勤した人もいる。


コロナによって自宅が職場にもなりうる環境が整ったおかげで、「シグナル8発動中も働くハメになるとは」と思った香港のオフィスワーカーは少なくないはずだ。

 

(冒頭の写真は、RTHKネットニュースが伝える台風情報から。香港天文台の発表で、「9」はシグナルが「9」になっていることを示している)