香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

街で見かけた無言の叫び

先週末、たまたま通りがかった店や移動の途中で、市民らの無言の主張や訴えを見かけた。新型コロナで大人数の集まりが禁じられた今、抗議デモが繰り返されていた一年前とは打って変わって街は静かだ。が、集団行動はできずとも、声に出さずとも、道ゆく市民の視覚に訴えかける手法で、叫びや主張は続いていた。民主派も、政府支持派も、だ。

 

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九龍半島の繁華街・モンコックを移動中、目に留まったスポーツ店に入ったら、黒シャツを着たマネキンが「自由のために命を捧げる」と訴えていた。8月14日付民主派大衆紙蘋果日報(アップルデイリー)」を手に一面のメッセージを見せていたもの。黒色は作夏以降の反政府デモ参加者のトレードカラー。こんな風に抗議する店が出てくるとは。


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8月23日の地下鉄「太子駅」では、男女2名が無言で新聞を掲げていた。やはり新聞は、「蘋果日報(アップルデイリー)」で、自由を奪われたくないと、心の叫びを文字にした。


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「実は後ろにもメッセージがあるの」と、クルリと回って背中の手書きの訴えも見せてくれた。「報道の自由を迫害するな」「街に出よう。蘋果日報を買って広告を出そう」と無言の呼びかけ。ここで立つ前、繁華街を歩いて訴えかけていたのだという。

 

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二階建てバスに乗って九龍側から香港島に抜けるホンハムトンネルの入り口で見かけた巨大看板。「一国のもと、二制度を守ることで、香港は安定する」というメッセージ。発信者は、有名小中学校を卒業した愛国者一同。


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香港島の繁華街・銅鑼湾の高層ビルに掲げられた建制派「民建連」幹部で立法会(議会)議員の広告。「破壊活動に反対し、香港を救う」「未来の香港のために今を闘う」と書かれた、立法会選挙のための巨大ポスター。選挙は延期になったけど、そのまま掲げられている。