香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

米国の制裁で自宅に大金保管

f:id:hongkong2019:20201128151803j:image

林鄭月娥・行政長官といえば、昨年は世界で2番目に高給取りのリーダーだったが、今年8月に香港問題で米国政府の制裁を受けてから銀行口座が一切なくなり、政府から支給される給与は、自宅、つまり禮賓府(総理大臣公邸に相当)に保管しているのだそうだ。

(写真はCATVニュースから)

 

これは、林鄭長官がテレビのインタビューで明らかにしたもの。中国政府と香港政府が「国家安全維持法」を導入するなど香港の自治を侵害したなどとして、米国政府が8月に林鄭長官を含む中国と香港の政府高官11名(のちに4名追加)を制裁リストに加えたため、彼らは米企業の金融サービスが制限されている。林鄭長官は、現在は銀行口座を一つも持っておらず、クレジットカードも利用できない状態。給与は現金で受け取り、自宅で保管。買い物はいつも現金払いなのだそうだ。

 

「多少の不便はあるが、米国に資産はないし、米国に行くつもりもなかったから、制裁はほとんど意味がない」と強気の発言をしている。制裁の影響は感じるが、「国家の安全を維持するために受ける制裁であれば光栄だ」と答えた。

 

国家への忠誠心が熱い林鄭長官だが、その高額年俸は米トランプ大統領を凌ぐ。米メディア「24/7 Wall St.」によると、2019年の世界の国・地域のリーダーで、林鄭長官はシンガポールのリー・シェンロン首相に続き2番目の高額所得者だった。(年俸約509万香港ドル(約6800万円)。) 今年度は年俸521万香港ドル(約7000万円)の予定だったが、コロナ禍で昇給に対する市民の風当たりが強く、予定額の10%を減額した。

https://www.google.com.hk/amp/s/247wallst.com/special-report/2019/04/16/20-highest-paid-world-leaders-3/amp/

https://news.rthk.hk/rthk/en/component/k2/1518717-20200403.htm

https://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/news/20200615/mobile/bkn-20200615012119583-0615_00822_001.html

f:id:hongkong2019:20201128151821j:image

(「東方日報」が伝える年俸番付)

 

減額したとはいえ、月給は約39万香港ドル(約524万円),年俸は約469万香港ドル(約6300万円)だ。1000香港ドル札で受け取ったとしても、毎月390枚を受け取り、家に保管していることになる。ちなみに大学の新卒の月給は1万5000香港ドル(約20万1000円)程度だから、彼らの年収は林鄭長官の一ヶ月分にも及ばない。そのお金が毎月自宅に積み上がっていると想像するだけでもすごい話だが、庶民には縁がない雲の上の話でもある。いざとなれば中国政府が守ってくれるだろうし、これだけお金が有れば制裁なんて痛くも痒くもないだろう。