香港時間 - Hong Kong Time -

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ペニンシュラ香港、コロナ禍で大苦戦

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コロナ禍で観光業が大打撃を受ける中、香港を代表する高級ホテル「ザ・ペニンシュラ香港」の今年1月ー6月期の平均宿泊率が、なんと、わずか13%にとどまった。昨年6月以降の反政府デモに続いて、今年に入って新型コロナウイルスが世界的に流行し、来港客が例年より99%も落ち込むなど、ダブルパンチを受けている。

 

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(昨秋、ペニンシュラホテルの前でも大規模デモが行われた)

ペニンシュラホテルや、ピークトラムなどを運営する香港上海大酒店(00045)が発表した2020年6月上半期の決算によると、「ペニンシュラ香港」の上半期のRev PAR(客室売り上げを客室総数で割った金額)は、前年同期比89%減の352香港ドル(約4800円)だった。前期比(2019年下半期比)でも43%減と、激減した。

 

平均宿泊料金は、2019年上半期比48 %減、2019年下半期比36%減の2804香港ドル(約3万8000円)で、3000香港ドル(約4万1000円)を割りこんだ。反政府デモが起こる前の香港のホテルは、3つ星程度でも1泊1000香港ドル(約1万4000円)していたから、今の香港がどれだけホテル不況かわかる。

 

大苦戦しているのは世界各地のペニンシュラホテルも同様で、欧米地域の平均宿泊収入は前年同期比79%減、前期比でも67%減、香港以外のアジア地域は、それぞれ、76%減と50 %減だった。

 

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(入り口ではドアボーイの体温チェックを受けてから入館する)

 

ペニンシュラを含む全事業での香港上海大酒店の上半期の売上は、前年同期比52 %減の13億3400万香港ドル(約181億5000万円)、収益は11億9700万香港ドル(約163億円)の赤字に転落した。

 

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(クリスマスシーズンのロビーのカフェ)

 

新型コロナで、目下、香港は、一部の国・地域を除き入境が制限されている。例えば香港の観光業界に歓迎されている日本人でも今は、香港居住者は出入境できるが、観光客は入境できない。香港のホテルは、地元市民向けにキャンペーンを展開しているが、7月に入って市中感染が流行していて厳しい状況だ。

 

ちなみに、ペニンシュラは日本人観光客に人気(私も香港で一番好きな、憧れのホテル)だが、第二次世界大戦中は、一時、日本軍が占領し、軍政下で「東亜ホテル」と改名された歴史もある。