香港時間 - Hong Kong Time -

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ウイルス検査が終わって


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香港政府が希望者に無料で実施していた、新型コロナのウイルス検査「普及社区検測計画(Universal Community Testing Programme: UCTP) 」(通称、全民検査)が9月14日に終了した。約178万3000人が検査をうけ、32 人の感染者が見つかっている(この検査で見つかった感染者の濃厚接触者など、検査に関連してさらに10人の感染者が見つかったので、合わせて42人とも言える)。

 

検査の狙いは、無症状感染者を見つけ出すことだった。香港域内で感染した人の約3割が感染源が不明なことから、無症状感染者を見つけることで、市中感染の拡大を抑えていこうというものだった。

 

全民を対象にしたこの検査、7日間延長して14日間行ったが、検査を受けたのは、750万人の人口の約24%の市民に留まった。この検査はより多くの市民が参加しないと効果は薄いが、検査の主旨に賛同する市民より、検査会場での感染リスクや個人情報の流出などを不安視する市民の方が圧倒的に多かったことになる。

 

当局によると、今回の検査で香港政府が負担したのは5億3千万香港ドル(約72億円)。このうち、3億7千万香港ドル(約50 億円)は、医療従事者や支援者の人件費だという。

 

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(中国本土から検査の支援にやって来た医療従事者に感謝する「大公報」)

 

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(独自調査でコストを予想し、ウイルス感染者を見つけ出すのに巨額の費用を注ぎ込んだと批判する「蘋果日報」)

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私の検査結果は、検査の3日後にSNSで「陰性」と通知された(冒頭の写真参照)。検査翌日に通知を受け取った友人もいる。いずれにしても、事前の説明どおり「検査終了後、3日以内に報告する」はその通りだった。

 

多くの市民が不参加だったこの検査。私としては、陰性通知を受け取って、安心感と今後の予防の自信につながった。在宅勤務が増えたとはいえ、混雑している地下鉄に乗って通勤していたし、勤務先のオフィスビルの下のショッピングモールでは、感染報告が数度出ていたからだ。携帯電話やメガネの消毒、手洗い、マスク装着は必須事項だが、感染状況や自分の行動に応じて取っていた独自対策でOKとわかった。今後新たな感染の波がやってきても、今までのように、状況に応じた感染予防に努めようと思う。まぁ、一番いいのは、一刻も早くこの新型コロナが収束してくれることだけど。