香港時間 - Hong Kong Time -

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CUマスクはアベノマスクより高速

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先日(5月15 日)、郵便局に行ったら、「マスク受け取りカウンター」なるものが特設されていて、市民がひっきりなしに窓口にやってきていた。


マスクは香港政府が市民に無料で配布を始めた再利用可能なマスク「CUマスク(銅芯抗疫口罩)」。抗菌性がある銅成分を含むことから、銅の原子記号CUをとって、「CUマスク」という。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が、発表時に自ら着用して「『シーユー・マスク』あるいは『キュー・マスク』と呼んでね」と語った政府自慢のマスクだ。

 

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(写真はRTHKのサイトから引用)


なにせ、交換可能なフィルターが入った6層構造で、しかも60回使用可能だという。香港繊維アパレル研究開発センター(Hong Kong Research Institute of Textiles and Apparel)が開発したもので、そのデザインがジュネーブ国際発明展で金賞を受賞したという、市販のマスクとは異なるマスクだからだ。


受け取るために市民はネット申請が必要だが至って簡単だ。香港IDカード(身分証)の番号、住所、連絡先電話番号を入力するだけ。その後郵便局員が書留同様、届出先住所に配達するが、配達時に不在の場合は、郵便ポストに入った不在通知と香港IDカードを持参して、後日郵便局に受け取りに行くというシステム。

 

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(届けられたマスク)


一連のスピードが、早い。申請受付は、発表翌日の5月7日から始まった。(6月6日まで)。私がたまたま郵便局に行った15 日、つまり受付開始9日後にはすでに不在通知を持って郵便局でCUマスクを受け取る人たちが何人もいたのだ。香港政府はやることが早い。


日本政府が4月中旬に決定した一住所に2枚無料で配布する布マスク、通称「アベノマスク」は未だに届かないという声も聞くが、香港のラム長官が発表した1人1枚の”ラムノマスク“「CUマスク」は、発表から申請、配達と高速モードで進んでいる。ネット申請も2分程度で手続きが完了する。


発表当初、市民の間ではマスクの無料配布に対して、「新型コロナウイルスが鎮静化した今ごろになって?」「6層は夏にするには暑いだろう」「表の柄が下着のパンツのよう」などと冷ややかな意見もあったがすでに250万人以上が申請している。

 

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(申請サイト。すでに250万人以上が申請済み)

 

早々と手にした市民からは「6層なのに重くない」「つけ心地はいい」と、まずまずの評判も聞く。


もし香港で韓国やシンガポールのように再び感染拡大の波が起こったら、CUマスクが威力を発揮することになるのだろう。が、そうならないように鎮静化した状態を維持していきたいものだ。

 

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