香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

「香港版国家安全法」施行前の最後の週末はー。

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「香港版国家安全法」施行前の最後の日曜日になるであろう6月28日、事前に申請されていた反政府デモは許可されなかったが、ネットでの呼びかけに応じた市民が自発的に集まり、午後3時ごろから九龍半島の佐敦から旺角まで行進した。

 

テレビやネットのニュースによると、集まった市民が、警察の解散の警告を無視して歩き続けた。途中、沿道などからも抗議の声を発する市民がいたという。警察が対峙する市民に向かって胡椒スプレーを放つ場面もあったようだ。警察は不法集会を行ったとして53人(男性41人、女性12人)を拘束した。

 

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(RTHKネットニュースより)

 

同じく午後3時からデモが予定されていると噂されていた香港島銅鑼湾は、警察とメディアの姿が見られたが、デモ行進などをする市民の姿はなく、市民が普段通り買い物をしていた。「香港独立」を訴えてビラを配る若者や、「抗議活動を継続しよう」と訴える若者はいたが、多くの市民が素通りし、警察も見守るだけだった。


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(銅鑼湾で抗議活動を続けようと訴える若者)

 

昨日(6月27日)は、7月1日の恒例の民主化デモの禁止が発表された。今日(6月28日)は、中国の全国人民代表大会全人代)常務委員会が3日間の予定で「香港版国家安全法」の審議を再開した。予定通りに可決されれば香港返還記念日の7月1日に施行される可能性が高く、今日はその前の最後の日曜日だった。申請していたデモは新型コロナ対策を理由に許可がおりず、抗議行動を起こせば違法行為になる。こうした中、九龍半島でのデモ行進は小規模なものだった。違法行為による取り締まりを恐れ、これまで抗議の声を上げてきた多くの市民の姿は街からすっかり消えた。静かな週末だった。

 

冒頭の写真は、銅鑼湾で警戒にあたる警官と普通に街歩きをしている市民)