SARSの悪夢、レスリーの死から17年
4月1日、アジアを代表する大スター「レスリー・チャン」がこの世を去って17年を迎えた。
例年なら、亡くなったマンダリン・オリエンタルホテル脇を埋め尽くすほどの献花とファンで溢れているが、今年は新型コロナウイルス肺炎「COVID-19」が香港でも感染拡大中とあって、訪れたファンはまばらだった。
(ホテル脇そばのブロックに立て掛けられた献花)
17年前の当時の香港は、折しもSARS(重症急性呼吸器症候群)が猛威をふるい、市民は感染への不安に怯えていた。そんな中で「レスリー・チャンが死んだ」という、とんでもないメッセージが香港中を駆け巡った。多くの人は最初は、4月1日だから「エイプリル・フールの悪い冗談」と思ったが、ほどなくして事実と知る。しかもマンダリンホテルからの飛び降り自殺だという衝撃の報道に多くの人が耳を疑った。
(昨年の4月1日。多くのファンが偲んでいた)
レスリーの死とSARSは関係はない。しかし大スターの死は、SARSで不安が渦巻く香港社会の空気を一層重くした。だから今も多くの市民が、レスリーの死とSARSという2つの悲劇を一緒にして、鮮明に記憶している。
(今年の4月1日)
「COVIDー19」が世界中で蔓延する中で4月1日を迎え、献花や追悼に訪れたファンはマスク姿だった。いやでも多くのファンがマスク姿でやってきて献花をし、冥福を祈った17年前の様子を思い出す。
ただ、今日のマンダリンは例年では考えられないほどひっそりとしていた。香港に来てもまず、14日間の強制隔離が待っているから、海外からはそう簡単には来れない。ファンクラブは、集団感染を警戒して、恒例の追悼集会を初めて中止した。
(昨年の4月1日。ホテル脇は献花で埋め尽くされた)
SARSとレスリーの死から17年の歳月が流れ、再びマスク姿で追悼するファンの姿を見ることになるとは、梅雨も思わなかった。追悼に来ていた、30年以上ファンだという女性が「来たくても来れない人は大勢いるはず。皆、心の中で追悼しているでしょう」と言っていたのが印象的だった。レスリーには今も本当に根強いファンがついている。
(いづれも昨年の献花とメッセージ)
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