香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

2021年6月3日 主要各紙は何を伝えたか

香港で6月4日といえば、多くの市民が思い浮かべるのは、1989年の天安門事件を追悼する「64集会」。今年は「国安法」が施行されて初めての6月4日。しかも新型コロナの感染予防のために集会の開催は許可されなかった。6月2日から6月4日までの関連の出来事を伝えている香港の主要各紙を3回に分けて追ってみる。

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6月2日:民主派団体「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会)が運営する、天安門事件の記念館「六四記念館」が、当局の指導で閉館に追い込まれた。以下は、翌日6月3日の主要各紙の一面など。親中派新聞では扱いが小さい上に「記念館」とのみ表記。六四の文字は見られず、将来この記事を見た人はこの記念館がどういう記念館だったのかはわからない。

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「アップルデイリー」の1面:「六四記念館」閉館の記事。


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「明報」1面:不動産広告


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「明報」2面:「六四記念館」閉館など、追悼集会に関する記事。


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「大公報」1面:米国が裏で香港の大学生の糸を引いてデモへと誘導していたとする記事。

 

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「大公報」では、支連会の「記念館」閉館とあった。国安法に抵触する恐れがある書籍があったとの内容も。「六四記念館」の「六四」は活字に残さない


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「文匯報」の1面:台湾の豚肉製品の品質に問題があるとの記事

 

ーーーーーーメモーーーーー

 

「六四記念館」は、2014年に開館。 4月から展示内容入れ替えのため休館し 、5月30日にリニューアルオープンしたばかりだった。今回「公衆娯楽場所」の許可証がないとの理由で閉館に追い込まれた。


今年は昨年に続き、新型コロナウイルス感染防止を理由に、6月4日のビクトリア公園での追悼集会の開催が禁止されたため、支連会は同館での献花などを呼びかけていた。通常の開館は午後6時までだが、4日は午後10時まで開館予定で、多くの人の来館が予想されていた。