写真で見る破壊翌日のセントラル
「武勇派(中国語は勇武派)」と呼ばれる過激なデモ隊が大暴れした翌日(9月9日)の香港島・セントラル。懸念された地下鉄は朝から開通した。仕事帰りに立ち寄ってみると、路上に転がるガラスの破片、レンガがえぐり取られた歩道、壊された信号機代わりに忙しく交通整理をする警官と、昨日の惨状を思わせる光景が至るところに残っていた。でも、まぁ、昨日の衝撃のニュース映像から考えたら、よく数時間で地下鉄駅周辺をここまで綺麗に片付けたものだと思った。
地下鉄J3出口:壊された窓ガラス部分は白いシートで応急処置。正面の窓ガラス部分は、シートをかけずに吹き抜け状態だった。
地下鉄J3出口の右側は一部ガラスが残されている。
地下鉄J1出口:旧立法会ビル脇の出口。窓ガラス部分は全面的に白いシートに。どれほどのガラスが破壊されたかよくわかる。
地下鉄J1出口:出口の左側は全面的に白いシートに。
地下鉄J1出口: 正面から見た光景。右側は一部ガラスが残されているが、圧倒的に占める白い面積が、惨状を物語る
地下鉄K出口:HSBC本店のほぼ正面の出口。緑と白のシートがかけられていた。
路上には小さなガラスの破片がまだかなり散らばっていた。
壊された窓の窓枠。
レンガを武器に使うために、デモ隊がほじくり返したと見られる歩道が痛々しい。
デモ隊がバリケードに使ったと思われる鉄の柵や、催涙弾を封じ込めるために重用しているロードコーンなどを一箇所にまとめてあった。
外れた鉄の柵が並ぶ。デモ隊が取り外し、バリケードに使った鉄柵をとりあえず元の位置に戻し、あとでちゃんと取り付けるのだろう。
警察を批判する落書き。POPOは警察のこと。最近デモ参加者は警察をこう呼んで揶揄する。
旧立法会ビル脇の路上に書かれたもの。闘う精神は不屈だという意思表明。
デモ隊を警戒して柵の門を下ろすHSBC本店。普段は夜でもこの門はおろしていない。突然の襲来でもデモ隊が流れ込んでこれないように警戒している。
HSBC本店前で、HSBCに解雇撤回を求める署名への協力を訴えていた若者。なんでも、逃亡犯条例改正案の撤回を求めて9月3日に行われたストライキに参加して、メディアインタビューに応じた際にHSBCの職員であることを語ったことが解雇理由だとか。5日に解雇されたという。「白色恐怖」だと訴えていたが、本店から出てくる行員たちは素通り状態。すでに署名したからか、署名に応じたら自分にも災いが及ぶと思っているからかは、不明。キャセイパシフィック航空といい、HSBCといい、「ビジネスのためには中国政府には逆らいません」という姿勢が鮮明に。
旧立法会ビル前のトラム駅。壁にはデモのスローガンが書き殴られている。