香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

デモ続く香港の日常生活は?

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「香港の抗議デモ、凄いことになっているけど大丈夫?」

 

こんなメールやSNSを日本の友人・知人からいただく。「逃亡犯条例」の改正案の撤回などを求めた香港市民の抗議デモも、海外メディアが伝えると、どうしても映像映えする過激な衝突シーンばかりになってしまうことが、友人知人のメッセージから読み取れる。

 

では、普通に街を歩けないほど香港は危険地帯と化したのか?

 

私の日常を例に挙げると、大規模デモが始まってからのこの2ヶ月余り、「至って普通の生活」だ。普段どおり会社に行き、仕事帰りや週末にジムに行って運動したり、友達と外食したりしている。私の生活圏内で危ない目にあったことはない。街を歩けば普通に街頭パフォーマンスもやっていたりする。強いて言えば、デモが日常的に話題になっている。また8月5日の「罷工(ゼネスト)」で朝の地下鉄がストップしてしまったので、バスとフェリーを乗り継いで出勤する羽目になったぐらい。催涙弾も浴びていない。

 

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(街頭パフォーマンスも普通にやってる。8月27日チムシャツイで)

 

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(8月5日の「罷工(ゼネスト)」を呼びかける落書き@銅鑼湾のトラムの駅)

 

日本の友人らが想像する今の香港と私の日常との、この温度差について、フト気づいた。海外で流れる映像は派手で断片的だが、視聴者はそこに全体像を当てはめてしまいがちだ。でも、現地に身を置いていると、違う。

 

過激な衝突が狭いエリアで起こっていることは言うまでもないが、地元のニュースサイトや新聞・テレビなど、信頼できるメディアが発するデモの事前情報が豊富だから、あらかじめ対処がしやすい。これが、一般市民の冷静さと平常心、安心感につながっているのだろう。警察の許可がおりた合法的デモか、そうでない違法なデモかで事の展開が推測できる。デモ隊と警察の衝突現場は、CATV新聞台やRTHK32などでテレビ中継されているので、状況を把握できる。例えばの過激分子が移動をはじめても、リアルタイムでわかるので、危険回避の一助にもなる。香港人なら(路地裏歩きが大好きな私も)裏道を知っているから危険ルートを避けて移動できる。こうした点が、大きな違いになっていくのだろう。

 

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ただ、ここ数日は、過激分子どもが、地下鉄構内や海底トンネルの料金所の設備を破壊したりして、常軌を逸しちゃっている。警察との衝突も危険なレベルにエスカレートしている。収束への糸口が全く見いだせていないし、一般庶民としては、デモに巻き込まれないように情報のアンテナを張りつつ、普通の毎日を過ごすのみだ。