香港時間 - Hong Kong Time -

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激化する衝突、ついに平日に

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政府への抗議のために5ヶ月に渡って過激な行為を繰り返してきたデモ隊と、それを取り締まる警察との衝突が、ついに週末から平日へと移った。11日から香港全域で朝の通勤ラッシュにマヒが起こり、いよいよ市民生活を巻き込んだ展開に発展してきた。

 

過激なデモ隊による、道路封鎖、地下鉄施設や特定の店舗の破壊活動は、これまでは週末か平日の夜だった。このためデモ隊と警察との衝突がサラリーマンの経済活動に直接影響することはなかった。しかし、ついに今週(11月11日、月曜日)からは、平日早朝から行われるようになり、通勤に大きな影響を及ぼしている。SNS上では、13日も香港全域で交通や道路を阻害しようと呼びかけられており、企業の中には「安全第一で出社を見合わせても良い」と社員に通知するところも出てきた。

 

デモ隊は11日早朝から道路を封鎖し、一部地下鉄駅も閉鎖に追い込まれた。12日は、鉄道の線路に障害物を置いたり、路線バスのタイヤをパンクさせるなど、過激な行為はエスカレート。鉄道や道路の阻害行為は香港の広範囲で行われ、多くのサラリーマンの通勤に影響したが、一歩間違えれば大事故に発展しかねない危険性もはらんでいる。

 

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線路の障害物を取り除く作業に当たる地下鉄職員(RTHKから)


一方、警察もデモ隊に対して一段と強硬姿勢になってきた。11日には実弾が発砲され、専門学校の生徒(21)が重体となっている。バイクに乗った警官がデモ隊に向かって走行し、デモ隊を道路から排除した。11日と12日の2日間に渡って香港の複数の大学のキャンパスに踏み込んで、デモを行う学生と衝突。中文大学や理工大学の校内で火の手が上がった。

 

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催涙弾が放たれた中文大キャンパス(RTHKより)


それ以外にも、言い争いでデモ隊を抗議する市民に、黒シャツ男性が火をつけ、この市民は重体だ。

 

いずれも映像で見たが、どれも耐え難いレベルだった。

 

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中文大学のキャンパス(RTHKより)

 

これより前の11月4日、習近平国家主席は林鄭月娥・行政長官と上海で会談。その際、習主席は林鄭長官に「暴動を止めて秩序を回復することが、香港で最も重要な任務だ」と述べた報じられている。抗議デモを厳しく取り締まっていく姿勢を明確に宣言したといえ、抵抗するデモ隊と警察との衝突は一段とエスカレートして行く可能性がある。事態は深刻な方向に一気に進んでいる。

 

(トップ写真はRTHKから)

#香港デモ #逃亡犯条例改正案