香港時間 - Hong Kong Time -

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広東語をローマ字表記で暗号化?

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香港人加油!をあえてピンイン方式で表記

 

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維園見(ビクトリア公園で会いましょう)だけあえてピンイン方式で表記

 

Heung gong yan, Ga Yau!


Wai Yuen Jin


最近、香港人同士のSNSでのやり取りなどで、あえて、広東語を漢字表記せず、発音をローマ字表記に置き換えて書き込むことが流行っている。広東語の発音を知らない中国本土の人たちにわかりづらくするためで、「暗号みたいなもの」だという。


香港人が広東語をローマ字表記で書くことは以前からある。例えば春節の挨拶メールを外国人に送る時。Happy Chinese New Year だけでなく、広東語の挨拶文句「恭喜發財」をローマ字化して「Kung Hei Fat Choy 」と書いたりする。しかし香港人同士なら、漢字表記が普通で、あえて漢字をピンイン方式で表記することはない。


香港に来て以来、私が華字紙の一面で初めてピンイン表記の広東語を見たのは、8月18日付け「蘋果日報」。「今日Wai Yuen Jin」とあった。「Wai Yuen Jin」 は「維園見」、この日の集会開催地の「ビクトリア公園で会いましょう」と呼びかけたものだ。香港人の友人によると「『維園見』と書いたら、中国人なら誰でもわかっちゃう。でもピンインは違う。広東語を話す広東省だって、ピンイン方式で広東語は学習していないはずだからわかりづらい。スパイにわからないように暗号化するのと同じ」という。


最近では、香港人同士がデモの写真とともに、「Heung gong yan, Ga Yau!」と書き込んでいるのもよく見かける。これは「香港人加油!(香港人、頑張れ!)」だ。


ツイッターフェイスブックは先日、香港で続く反政府デモを妨害する目的で情報操作に使用されていた、中国政府とつながりのあるアカウントを削除したと発表している。


ピンイン表記は、香港人であることをより強く意識して、中国側の情報操作に対抗していく一つの手段でもあるようだ。