空港デモ3日目夜に舞い降りた(8月11日)
8月11日。台湾での束の間の休息から戻って来てみたら、香港各地で、「逃亡犯条例の改正案」の撤回などを求めるデモ隊と警察が衝突する事態となっていた。一方の香港国際空港。9日から3日間の予定で始まった空港での抗議活動は今日、日中こそ1000人規模に膨れ上がったようだが、終了予定時間(23時59分)より1時間以上前に空港ロビーに降り立ったが、場内はすでに閑散としていた。プラカードを持って訴える市民の姿もごくまばらだった。
香港に向かう機内アナウンスも、変わったことはなかった。7月26日の空港デモの時は、キャセイパシフィック航空の機内では、香港到着予定時間や天気などを案内する際に、「なお」と付け加えて、「香港空港では今、逃亡犯条例の改正撤回などを訴えた抗議デモが行われていますが、平和的なので安心してください」とアナウンスするパイロットもいた。しかし、今日はそうしたアナウンスはなく、いつも通りの基本の現地情報だけだった。
私が到着する時刻は、デモの規模が小さくなってアナウンスするほどではなくなっていたからか、中国の航空当局が9日、キャセイ航空に対して、違法なデモに参加した従業員を中国路線に関係する業務から排除するよう警告し、キャセイがこれに従う姿勢を示したため、職員が慎重になったからなのかは定かではないが‐‐。
市内に向かうエアポートエクスプレスも特別なアナウンスはなかった。香港駅からタクシーの運転手に、行き先(デモが発生したエリア近く)を告げ「大丈夫?」と聞くと、「大丈夫だよ」と笑って返された。道路はガラガラ。タクシーしか走っておらず、運ちゃんもビュンビュン飛ばすので、あっという間に家に着いた。
明日はまた朝7時30分から、デモ隊が一部地下鉄駅で電車の運行を妨害する「不合作運動」を予定している。出勤で影響を受けるのは必至だ。デモ隊は移動しながら抗議活動を繰り返すようになり、警察とどこで衝突するかが非常に読みづらくなってきた。私自身の警戒レベルも一、二段あげる必要が出てきたと思う。