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キャセイ航空の「香港人加油」機長が退社

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キャセイ・パシフィック航空にまた衝撃が走った。トップ2名の辞任、「逃亡犯条例の改正案」の抗議活動に参加した副操縦士らの解雇に続き、今度は着陸前の機内アナウンスで、広東語で「香港人加油(香港人頑張れ)」と言ってマイクを置いた機長が退社したことが明らかになった。

 

キャセイ航空は19日、この機長の退社を認めたが、解雇か自己都合かは明らかにしていない。

 

機長が「香港人加油」と発したのは、香港国際空港で初めて、改正案を反対する抗議集会が開かれた7月26日。東京発香港便の機内で、香港到着時間や天気、気温などの現地情報をアナウンスした後に、「なお」として、「空港の到着ロビーでは抗議集会が行われています。集会はとても平和的で秩序があり、落ち着いています。黒色のシャツを着たデモ参加者を怖がらないでください。彼らと交流して香港の事情を理解してください」と英語で語った。さらにその後に、広東語で「香港人加油,萬事小心(香港人頑張れ。何事も気をつけよう)」と言ってマイクを置いた。

 

英語も広東語もとてもソフトな語り口で、このアナウンスの録音がネット上で流れると、多くの香港人が一体感を感じて「感動した」と言って友人たちに転送していった。(で、私も受けたった)


この日の空港での集会は空港関係者が多く参加して、220便以上が欠航となったが、集会は合法で平和だった(欠航は、空港関係職員のデモ参加によるマンパワー不足によるもの)。出発ゲートでは、冒頭の写真のように、ウィットの効いた表示もあって、自由なムードの中で行われていたのがわかる。


それだけに今回の退社のニュースは香港人の間で衝撃が走っている。


キャセイは先日、違法の抗議デモに、副操縦士など社員が参加したことで、ルパート・ホッグ前CEO(最高経営責任者)らが引責辞任した。該当する副機長らも辞任している。


ちなみに「香港人加油」は、10週間以上続く、合法・非合法の抗議デモで、香港人が繰り返し発している言葉だ。