香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

台風以外で空の便が全便欠航とは--

(8月12日) 「おいおい一体どうなるんだ?」「誰もわからないよ」

 

8月12日の午後、会社の香港人の同僚たちがざわめき出した。「何事?」と思ったら、香港国際空港で離発着便が全て欠航という衝撃的なニュースだった。「逃亡犯条例」改正案の撤回を求める市民らが空港のロビーなどを占拠し、混乱に陥ったのだ。

 

前日(8月11日)の夜、私が空港に舞い戻った時は、この日の深夜まで予定されていた集会はすでに解散状態だった。それが、十数時間のうちに到着ロビーはおろか出発ロビーまで抗議の市民で埋め尽くされ、空港機能が麻痺に追い込まれたのだ。

 

空港にデモ隊が再び結集したのは、11日に市街地で繰り広げられたデモ隊と警察の衝突で少女の右目にゴム弾があたり、失明するかもしれないという悲惨な事件が起こったこと。警察が、デモ隊のシンボルカラーである黒いTシャツを着てデモに紛れ込み、デモ参加者を取り押さえたことなどへの怒りから。

 

さすがに空港内では、警察も催涙ガスやゴム弾などは使えない。デモ隊は海外からの来港客に香港の現状を知ってもらう格好の場として利用できる。海外メディアが飛びつけば、もっと広く国際世論にも訴えることができるというわけだ。

 

思わぬデモの影響を受け、旅程に支障が出た方々は気の毒だと思う。

 

それにしても、大型台風の影響以外で「全便欠航」というのは、香港在留24年で初めてだ。それだけ今香港で起こっているこのデモが、香港市民にとって非常に大きな意味を持っているということだ。