香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

データで見る返還25年ー株式市場

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中国返還25周年まで1ヶ月を切った香港。CATV (有線テレビ) が香港の返還25周年を振り返る簡単なデータを、スポット的に10秒ぐらいで流している。図やグラフなどで見やすく編集して25年間を振り返っているので、それを少しずつUPしていく。(写真は全てCATVのニュースから。データの出典はSFC)

 

今回のテーマ: 香港株式市場

 

香港の株式市場の時価総額は、ニューヨーク、ロンドン、東京、上海についでに5番目だけど、“国際”金融センターの機能として見たら、ニューヨーク、ロンドンに次いで3番目との評価が高い。

 

そんな香港市場だが、中国企業の成長とともに中資系企業が続々香港市場に上場。米ドルとリンクする香港ドルが流通通貨の国際金融センター・香港に上場することは中資系企業にとっても国際的知名度を上げるステイタスにもなっているからだ。で、97年には時価総額に占める中資系企業の割合は16.3% だったが、2021年は79%に。香港株式市場でも中国企業の存在感が圧倒的になってきた。今後も中国企業による香港上場は続く。大湾区で生まれるベンチャー企業が今後香港市場での上場を目指すだろう。

 

1997年の上場企業数:658社

2021年の上場企業数:2572社

 

1997年の時価総額:    1.9兆香港ドル

2021年の時価総額:  58.5兆香港ドル

 

1997年の中資企業:10社

2021年の中資系企業:1368社

1997年の中資系企業の時価総額:5215億香港ドル

2021年の中資系企業の時価総額:34.4兆香港ドル

 

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高配当の安定株として香港市民に愛され、投資対象となっていたHSBC(5)の株価と配当性向。ここ数年、HSBCは、米中間の政治対立に巻き込まれたり、民主団体組織の口座を締め出したことで若者らからそっぽを向かれるなどで、踏んだり蹴ったり。HSBC神話ももはや崩壊気味。


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香港市場から調達した資金の推移をみると、大規模反政府デモがあった2019年は微減だったが、「香港国家安全維持法(国安法)」が施行された2020年には調達額が増えており、日本人評論家が騒いでいたような「国安法」によるマイナス影響はみられない。むしろ米中対立で米市場から香港市場に上場先を移したり、香港に第二上場する企業による恩恵を受けていた。2020年、2021年と企業による市場からの調達資金が増えているということはそういうことも物語っていると思う。


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