香港時間 - Hong Kong Time -

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データで見る返還25年ー来港客推移

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中国返還25周年まで1ヶ月を切った香港。CATV (有線テレビ) が香港の返還25周年を振り返る簡単なデータを、スポット的に10秒ぐらいで流している。図やグラフなどで見やすく編集して25年間を振り返っているので、それを少しずつUPしていく。(写真は全てCATVのニュースから。データの出典は香港年報)

 

今回のテーマ:来港客数と中国本土客の推移

 

1997年に香港を訪れた観光客数は1000万人をやや上回る程度。当時は年間2000万人の来港客数を目指していて、一番の上客は日本人だった。金持ちで羽振りが良く、値切らず買っていき気前も良かった。しかしバブル崩壊後、失われた10年と言われた日本経済も、気がつけば失われた30年に。この間、中国経済は急成長し、GDPで日本は2010年に中国に追い抜かれた。

 

その中国で2003年に個人旅行が解禁されると、香港に年々多くの買い物客がやってくるようになり、香港の小売や観光業は大いに潤った。年間2000万人の目標なんてあっという間に達成。2019年に大規模反政府デモが起こる前の2018年には過去最高の6500万人以上が訪れた。このうち78%が大陸観光客だった。ちなみに香港の人口は約740万人。(https://hongkong2019.hatenablog.com/entry/2022/06/13/003906)

 

人口の約9倍の観光客が来ていたのだ。居場所を失っていき、追いやられるような感覚、わかるだろうか?経済的恩恵を被らない香港市民の不満が高まり、その矛先が大陸人観光客に向かっていった。

 

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大規模な反政府デモで2019年は来港客数は減少したが、それでも小売業もレストランも観光業も回っていた。しかし、翌年以降は新型コロナウイルスの流行で観光客の入境ゲートを閉じたため、2021年の入境者は僅か9万人に激減。これだけ見ても、観光業に依存する香港にとってコロナによる経済的な打撃の大きさを伺うことができる。