中国返還25周年まで1ヶ月を切った香港。CATV (有線テレビ) が香港の返還25周年を振り返る簡単なデータを、スポット的に10秒ぐらいで流している。図やグラフなどで見やすく編集して25年間を振り返っているので、それを少しずつUPしていく。(写真は全てCATVのニュースから。データの出典は大学教資会と香港政府統計処)
今回は、大学卒業生の平均初任給と失業率の推移:
1997年の前半は返還バブルで株価も不動産相場も高騰。しかし97年秋にアジア通貨危機が香港にも波及、2003年にはSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行で景気は後退。失業率は8・8%まで悪化した。人材市場は買い手市場で、大卒の初任給も、景気後退を反映して03年には相対的に大きく下落したのがわかる。
SARS後、中国政府が香港経済支援策として(1)中国人観光客の自由旅行解禁(2)CEPA(中国本土と香港の経済貿易緊密化協定)--を打ち出し、香港経済はV字回復。失業率は改善し、大卒給与も上向きに。2009年は、2008年からのリーマンショックによる反動で失業率は悪化し、平均初任給は僅かだが減額されている。
(注:CEPA は香港原産の製品と香港サービス業の中国本土における市場拡大と、中国本土と 香港間の経済融合、経済協力の強化を目指したもの)
SARSの頃の2003年に比べて2019年は平均給与が2倍以上になっているが、これはいささかビックリ。最近日系の人材紹介会社に大卒初任給の相場を聞いたら、16,000香港ドルぐらいと言っていたけど……。新卒の相場は全体的に実態よりも高めな感じがして、盛っていないか?と思う。