香港時間 - Hong Kong Time -

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「時代天使」、上場初日は大暴騰

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6月16日に香港株式市場に上場した中国企業「時代天使(angelalign)」(コード番号6699)が、公募価格の173香港ドル(以下ドル)に対して、なんと約2.3倍の401ドルという超高値をつけて引けた。初値は400ドル、高値は490ドル、安値は375ドルだった。(写真は、時代天使社のサイトから引用)

 

今日(6月16日)の香港各紙の経済面に「時代天使」の名前が踊っていて、すごい名前の企業が出てきたものだと思ったら、株価も超値上がりしてすごかった。どんな会社なのかとサイトを見たら、透明の歯形がアップで出てきた。

 

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(時代天使社のサイトから)

 

同社は、透明のマウスピース型矯正システムを提供する会社。2003年に設立。マウスピース矯正とは、ワイヤーなどを使わない透明素材の矯正装置を使って歯並びを整えるもの。取り外しができる透明なマウスピースを患者の歯並びに合わせて、段階的に取り変えながら歯並びの治療を行うという、矯正治療の中でも新しい治療方法だ。2020年の実績数ベースで、同社ともう1社で中国でのこの市場の82.4%を占める。制約額ベースでは同社がシェア約41%を占めるという。

 

この株を持っているわけでもないのに、公募価格の約2.3倍の株価で引けるって、一体いくらぐらいの利益なの?と、思わず電卓を叩いてみた。取引単位は200株なので、公募の抽選で200株を運良く手にした投資家は、初日に売却していなければ、単純計算で、4万5600ドル(約64万6000円)の含み益を持ったことになる。すごい!まぁ、公募には申し込みが殺到して、200株枠だけでも、割り当てられる確率は1.5%だったそうだから、手にした人はよっぽど運が良かったということだ。

 

それにしても、ほんの30年ぐらい前までは食べる物や生活必需品にも困っていたような彼の国で、先端技術を駆使した歯の矯正システムの販売企業が株式を上場させる時代が来るなんて。彼の国の技術革新のスピードの速さはやっぱり侮れない。そして、こういう市場が出来上がるほど、市民の生活水準が上がり豊かになったのだということも。