香港島の繁華街を歩いてみたら
今日(2月25日)はついに、新型コロナの1日の新規感染者が1万人を超え、10,010人(うち4人が海外からの入境者)となった。このところ連日、単日の感染者数は過去最高を更新するペースで増えている。1人の感染者が3人を感染させているとの研究報告もある。(冒頭の写真はSOGO前の交差点)
今週前半は、気温8度という、香港では稀に見る寒さだった。おまけに雨まで降り続けて、寒いのなんのって。まともな暖房器具がないから、厚着して布団にくるまる日々だった。
昨日ようやく晴れ間も見えたので、夕方散歩に出かけた。地下鉄2駅分を歩いて香港島の繁華街・銅鑼湾まで行って帰ってきた。
流石に感染者が連日過去最高となると人通りがメッキリ減っている。マスクだけでなく、顔を保護するフェイスシールドをつけて歩いている人もチラホラ見かけるようになった。
(フェイスシールド付けて外出する姿も)
銅鑼湾に行く途中、香港中央図書館前だけ行列ができてる。何?と思ったら、ワクチン接種のためにやってきた人たちだった。年配の人がほとんどだ。最近コロナの死亡報告は、小さな子供もいるが、圧倒的に高齢者が目立つ。しかもワクチン未接種のケースが多い。あと、昨日からワクチン接種証明がないと、スーパーやデパートなどに入館できなくなった。こんなことが、駆け込み接種の人を増やしているのかもしれない。
(ワクチン接種に並ぶ市民)
銅鑼湾のSOGO前に着いたのは、午後6時過ぎ。ちょうど仕事が終わり帰宅や買い物客で賑わう時間帯。しかし普段は人でいっぱいのこの界隈もガランとしていた。(冒頭の写真がSOGO前。世界的に不動産価格が高いエリアなのにこの寂しさ)
辺りを一周したら、感染者が出て店を閉めている店舗がチラホラ。臨時休業の張り紙と、閉まってシャッターが物寂しい。おまけに繁華街だというのに、空き家になって借り手を探している店舗跡がここにもあそこにも、むこうにも、ってな感じだ。
(パン屋の休業のお知らせと閉まった店舗)
(マクドナルドの休業のお知らせと閉まった店舗)
(日本人観光客にも人気の牛乳プリンの店も臨時休業)
宝飾店も閉まっていたが、理由は明確にしていなかった。
(黄金を売る宝飾店も臨時休業)
他にも目に留まったのは、不動産屋の値下げ物件広告だ。値下げ額を上書きしているから、どれぐらい下げて売りに出しているかもわかる。香港の不動産相場は、景気に敏感だし、逆に不動産広告の傾向を見て今後の動きを予想することもできる。最近は値下げ物件が増えている
(空き家となりテナントを探す店舗)
ネットニュースでも、「いくらで買った物件を結局いくらで売って、どれぐらい得した/損した」と言った話題が増えている。
中国本土に追随したゼロコロナ政策をとって、コロナの抑え込みにかかっているから、厳しい規制でレストランやヘアサロンなど悲鳴をあげている。倒産が相当数出るとの業界関係者の見通しもある。
市民も収入が減り、住宅ローンが重くのしかかれば、住宅を手放す動きは必然的に出てくる。これまで中国人がマーケットに参入し(つまり高値で不動産を買い漁り)相場を釣り上げてきたが、最近じゃあ中国人が損を出して物件を売却したというニュースもある。こうした動きが続けばSARS(重症急性呼吸器症候群)が猛威を振るったあの頃のように売りが売りを呼ぶ相場になってくるのかも?
それにしても感染者1万人とは。来月は香港の約740万人の市民全員がPCR検査を受けることになる。3月27日の行政長官選挙を5月8日に延期したし、今の規制措置を4月20日まで続けるというし、政府は感染状況がある程度落ち着くのは4月中旬までかかると見ているということだろう。あーあ。
【直近の感染者数】( )内は海外からの入境者
2/25 10,010人 (4人)
2/24 8,798人 (3人)
2/23 8,674人 (3人)
2/22 6,211人 (3人)
2/21 7,533人 (3人)
2/20 6,067人 (12人)
2/19 6,063人 (4人)
2/18 3,629人 (2人)
2/17 6,116人 (9人)
2/16 4,285人 (21人)