新型コロナ第三波襲来-市中感染拡大の脅威
香港でついに、新型コロナウイルス(COVID-19)の第三波が襲来してしまった。しばらく鎮静化していた地元の感染者が7月7日以降急増。しかも数カ所でクラスター(集団感染)が起こっているのだ。感染源が不明なケースもあり、市中感染の拡大を警戒して、政府は緩和した措置を再び引き締めに転じた。
7月7日、海外渡航歴がない地元市民の感染例がいきなり9例となり、約3ヶ月ぶりに最高数となった。しかも、飲食店、老人ホーム、公共住宅、タクシー運転手などに分散しており、そこからクラスター(集団感染)が起こっている。
7月9日現在の年齢別感染者の分布(大公報の付録から)
今回の感染は第三波と言われる。第一波は、中国本土からの人の移動に伴うケースで、中国本土客と、香港内のバーや宗教団体の集会所などでの感染によるものだった。
第二波は、留学先や旅行先から戻った香港人や、インドやパキスタンなどの外国籍の香港居民が帰省先で感染して香港に戻ってきて発症した、「輸入型」と言われるパターンだ。
【7月10日現在の感染者早見表。香港は感染者は全て番号付して管理。その感染者を第一波(上のピンクで囲った感染者)、第二波(黄緑色で囲った感染者)、第三波(下段のピンクで囲った感染者)に分けて一覧化したもの。(大公報の付録紙より)】
そして今回の第三波。これは地元市民による「市中感染」だ。第一波での香港市民の感染は、バーや宗教団体の集会場などだったが、今回は居住エリアでの集団感染が相次いでいる。しかも各地に分散していることから、政府の衛生防護中心は香港中で感染リスクが高まっているとして、警戒を呼びかけている。
(薄いプラスチックの板で壁を作って飛沫の拡散を防ぐ、下町の飲食店)
香港政府は、この状況を踏まえ、7月11日から24日まで飲食店等での人数制限など、防疫措置を強化する。(末尾参照)
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COVIDー19と同じコロナ型ウイルスのSARSは、暑さと共に消滅したけど、こっちのコロナは熱に強い。毎日 気温30度越えの香港で、マスク着用で歩くのはかなり息苦しい。しかし、感染源の地域が分散してクラスターが発生しているほか、一部は感染経路が不明のケースもある。
感染者が減って皆気を緩めていただけに、今の状況は、これまでで一番市中感染リスクが高いかもしれない。
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【政府が7月11日から始めた防疫措置】
(1)レストラン
ー1卓の利用人数制限を撤廃から8名までに変更。
ー収容人数は通常座席数の60%まで。
(2)バー、ナイトクラブ
ー1卓の利用人数制限を8名から4名までに変更。
ー収容人数は通常座席数の60%まで。
(3)パーティールーム、カラオケ、ジム
ー1室の収容人数制限を16名から8名までに変更。
【直近の香港での新たな感染者数】( )内は渡航歴のない地元市民
7月11日:29人(17人)
この他33例の初期検査での陽性例
7月10日:38人(32 人)
7月9日:42人(34人)
7月8日:24人(19人)
7月7日:14人(9人)