香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

「香港時間」ブログ、今日からスタート!

香港市民による政府への抗議活動が日に日に激化し、中国返還後最大の政治的危機を迎えている香港。どう収束するのか、誰もわからない。こんな香港を見るのは、来港24年で初めてだ。寛容で治安がいいあの香港は一体どこに行ったのか? この、予測不能な日々の動きを書きとめようと、ブログを始めることにした。

 

当初は、中国本土に犯人を引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例改正案」の「完全撤廃」(「反送中」)を訴える市民による平和的な大規模デモだった。しかし、100万人の市民デモ(6月9日)でも、200万人のデモ行進(6月16日)でも耳を傾けない香港政府。それどころか、警察は、抗議する市民を催涙弾やゴム弾などで排除し、政府は、過激な市民行為を「暴動」と位置付けた。「警察の方こそ暴力行為。恥を知れ」と、怒りの矛先が警察にも向かい、若者を中心とした過激な活動家たちは行動をエスカレートする一方。デモ隊と警察は衝突を繰り返している。抗議活動はまもなく2カ月になろうとしているが収束するどころか、波紋を広げて複雑化・混迷化してきた。

 

8月5日(月)には、早朝から各地でストライキを起こした市民によって交通が混乱。いよいよ市民の日常生活にも直接影響を及ぼしはじめてきた。

 

今後市民の不満や怒りが、政府だけでなく、抗議をエスカレートする若者らにも向かっていくことは必至。香港政府も中国政府も強硬姿勢を貫いて、市民とは平行線のままだ。2014年の「雨傘運動」の時と同じ展開になりそうだが、その後の社会に及ぼすダメージや破壊力は、雨傘以上になることは必至で、計り知れない。

 

香港全域に拡大しているデモ活動。明日は、九龍半島の繁華街・チムシャツイの大規模ショッピングセンター、「ハーバーシティ」で夜7時~9時の予定で行われる予定だという。金曜日(9日)から週末にかけては香港国際空港でも行われるというし、落ち着かない週末が続いている。