香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

オミクロンの猛威、感染者倍速で増加中

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ここ数日の新型コロナの感染者の急増ぶりがすさまじい。今日(2月16日)の新規感染者数は、4285人(うち21例が海外からの入境者)と、ついに4000人の大台に。しかも、これとは別に、今日の段階で初期検査で陽性反応が出た人は7000人以上もいる。(これらはさらに精査されるが、明日には新規感染者として発表される可能性がある人たちがこれくらいいるということだ)

(冒頭の写真は、CATVニュースから)

 

今の感染者の大部分はオミクロン株によるものだが、オミクロン株の市中感染が初めて確認されたのは2021年12月28日で、この日の新規感染者数は合計でわずか6人だった。1ヶ月前の1月16日でも、わずか11人だった。

 

それがーーーー。

1月23日: 140人(うち市中感染が125人、以下同じ)

春節休暇開けの2月5日: 351人(343人)、

2月7日: 614人(607人)、

2月9日: 1161人(1153人)、

2月12日: 1514人(1509人)

2月14日: 2071人(2052人)

2月16日: 4285人(4264人)

 

と倍速で感染者が増えている。

 

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(薬局で薬を買い求めて並んでいる市民)

 

オミクロン株は感染力が強いとは言われているが、すごい威力だ。過密都市香港では、ひとたび市中感染が始まると、ひとたまりもないということだ。

 

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(春節を祝うオブジェの猿にもマスクが)

 

私の住んでいるマンションでは感染者は出ていないが、住んでいるマンションで感染者が出たり、汚水検査で陽性反応が出たマンションに住んでいる同僚や友人は、強制検査を受けている。オミクロンは軽症と言われているけど、香港でも死者も出ていることだし油断は禁物。とにかくこまめな消毒とマスクと免疫力アップに努めるしかないな。

 

 

 

旅をしたいなぁ

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2月2日。春節2日目は、昨日の寒さに雨まで加わってさらに寒々とした天気だ。

 

オミクロン株の流行で外出気分が下がっている上にさらに寒いとあって、昨日は一日中家に篭った。香港の新年の挨拶で定着しているSNSを使った新年の挨拶をしたり、テレビを見たり、撮りっぱなしの写真をメモリーカードからハードディスクに移したりして、1日が終わった。

 

写真を見ていると当時のあれこれを思い出す。フト思いついて、家でガラクタ扱いになっていた茶器を取り出して中国茶を飲んだ。

 

この茶器は2018年9月30日にスワトーに行って買った物だ。可愛くて旅の土産にと買った。景徳鎮製と印字されている。茶器の良し悪しや価値など見る目はなく、ただ可愛くて買った。

 

その後、香港で陶器を売る店で同じ物が売られていたのを発見。スワトーでわざわざ買うほどの物ではなかったのだと、ガックリしたが、旅先で買った物には変わりない。

 

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この茶器には、香港と中国本土を結ぶ、開通したばかりの高速鉄道に初めて乗って、香港から中国に行った旅の思い出が秘められている。刺繍の小物を買うぞと勇んで行ったスワトーで、刺繍製品を売る店は全くなくて「ここではもう刺繍を売る店はないよ。タオバオで買えば?」と布を売る問屋街みたいなところで言われた思い出も詰まっている。

 

また旅行に行きたいなぁ。そんなことを想いながら、味わった。

新年快樂!虎年接福!

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今日(2月1日)は春節元旦。虎年が始まり名実ともに新年がスタートした。

 

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今年は春節目前にオミクロン株の市中での感染爆発が始まり、レストランでの飲食は午後5時59分まで。(旧暦の)年末恒例行事の花市も中止され、年末から新年に向かう年越し気分は低調だった。春節を迎える花火も中止、黄大仙への参拝も禁止だが、感染者が出たマンションでは今もビルごと強制隔離されていて、気の毒な年越しだった。

 

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一方で今年は香港の中国返還25周年とあって、すでに25周年を祝うムードを盛り上げようという動きも。虎年前半の香港は、行政長官選挙や25周年記念イベントなどまでいろいろな動きがありそうだ。これまでとは違う街の景色が見れることだろう。

 

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何はともあれ、新年快楽!身体健康!心想事成!

家の近所でマンション封鎖し強制検疫

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2022年1月6日。帰宅時にネットニュースを見ていたら、なんと家の近所のマンションが封鎖され、強制検疫を行うと出ていた。オミクロンの感染者が出たのだ。

 

午後7時ごろ帰宅すると、ちょうど、臨時検査場を設置しているところで、その脇で検査待ちの住民が列を作っていた。身近な場所でこういう光景を見ると、いよいよウイルスが身近に迫ってきたのか?とちょっと緊張する。

 

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香港はずーっと市中感染ゼロだったから、クリスマスも新年のカウントダウンも大賑わいだったのに、ここ数日はオミクロンの新規感染者が毎日数人確認されている。

 

感染者が出たマンションは1棟まるごと封鎖して、居住者全員のPCR検査を行い、全員の検査結果が出るまで(大抵翌朝8時前後まで)マンションから出られない。

 

市中感染の始まりは、オミクロンに感染していたキャセイ航空の客室乗務員が自主観察中に外出して、家族とレストランで食事。そのレストランでクラスターが起きてしまったため。その数日後には別の便の客室乗務員も感染が確認されたが、その家族も感染。お母さんが行っていた先々で感染が広がっている。

 

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今のところ感染者はみな、感染経路がわかっている。このため当局は、とにかく徹底的に追跡とウイルス検査で感染拡大を食い止めるようとしている。で、感染者が住んでいるマンションは、全住民をウイルス検査。感染者と濃厚接触した人は、強制検疫所で数日間経過観察となる。

 

それだけでなく、明日から2週間の予定で、全ての飲食店で午後6時から翌午前5時までの店内飲食が禁止となる。午後6時以降は持ち帰りかデリバリーだけだし、映画館やジム、公共施設などは閉鎖される。1週間ほど前までのゆるゆるムードとは打って変わって、なんとも極端な措置。

 

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当局は、ウイルスが蔓延する前に多少荒手の手段でも、拡大を食い止めようというわけだけど、午後6時以降の店内飲食ダメってのはやっぱり辛い。

 

2月1日に春節元旦を控えてのこの展開、穏やかじゃないなぁ。

 

[追記]

キャセイの客室乗務員のお母さんルートでは6日、感染者の一人が、100人が集まったとされる重鎮政治家の誕生パーティーに出席していたことがわかり、ここでもクラスターが発生する可能性がある。しかもここには香港政府高官や公務員幹部、立法会(議会)議員も参加していたことがわかった。うち高官一人は濃厚接触者として21日間、強制検疫所で隔離されることになった。(これは今後世間を賑わしそう。「ドラマみたい」と注目されている)

 

Happy New Year 2022!

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ビクトリア湾のカウントダウン風景

2022年はビクトリア湾沿いの広場でカウントダウンして迎えた。2年ぶりのカウントダウンとあって大勢の市民が詰めかけていた。

九龍半島の西九龍地区では、今や押しも押されぬ若手人気歌手グループMirroが出演したカウントダウンコンサートが行われていたが、私は香港島のセントラルで。こっちでは、熟年アイドルのアーロン・コックが野外コンサートをやっていて、入場できなくても、歌声とちょっとだけだけど大画面でコンサート風景が垣間見られた。

 

ドローンでカウントダウンショーをやったりして賑やか、華やかに幕開けした2022年。今年は香港の中国返還25周年とあって、100個以上の祝賀イベントが用意されているらしい。このカウントダウンも、その一環で第一号ということらしい。

 

中国政府と香港政府は、2021年に香港社会をリセットしまくった。2022年は新しい基盤(体制)の上で様々なアプリ(制度)がインストール(実施)され、稼働するーーといったイメージだろう。

 

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ICCビルのカウントダウン表示

 

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カウントダウンのためにドローンが飛んできた

 

 

「愛国者による香港統治」の立法会選挙

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フェリーのふ頭に掲げられた立法会選挙の巨大案内広告

 

12月19日、「国家安全維持法」が施行されてから初の立法会(議会)選挙が行われた。この選挙、今年5月に中国政府主導で、「愛国者」しか立候補を認めない選挙制度に変わったことから、親中派政党からの立候補者同士の争いといった構図で、153人が立候補して90議席を争った。独立派や自称民主派もいるが、ごくわずか。新制度で議会議員は、20議席増えて、これまでの70議席から90議席になったが、直接選挙で選ぶ議員は35議席から20議席に減っているから、議会で民意が反映しにくくなってもいる。

 

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今、開票していて集計の様子をテレビで放送しているけど、これまでと立候補者の顔ぶれがかなり違うので、候補者の写真を見ていても、親中派の重鎮以外はさっぱりわからない。

 

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もともと今回の選挙は昨年9月に予定されていて、民主派が初めて過半数を獲得する可能性もあったが、政府は新型コロナを理由に延期。その間に「愛国者による香港統治」の選挙制度に塗り替えられ、民主派勢力の議会での活躍の場は封じこまれたとあって、「投票しても意味がない」と考えている民主派市民は少なくなかった。

 

案の定、前回の選挙で58.28%だった投票率は今回は29.28%。今朝、親中派の重鎮は、「投票率が30%ぐらい(に下がって)でも、十分成功」的なことを言っていたけど、結局、3割にも届かなかった。

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(Now TVから、12月20日午前0:15現在)

(追記:20日の朝のニュースでは最終的な投票率は30.2%となっていた。20日付明報も29.28%の数字を19日午後9時30分現在として引用して記事を書いているから、最終的な数字が発表されたのは相当遅くなってからのもよう)

 

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(ビルにも投票をよびかける電光広告)

 

それにしても、今回の選挙は、投票をよびかける広告がすごかった。バスもバス停も、地下鉄駅構内もフェリー乗り場もトラム乗り場も、「香港と自身のために1票を投じよう」という広告のすごいことと言ったらなかった。テレビでは、投票所での投票の仕方まで事細かに解説までしていた。今回は、中国本土にいる香港人有権者のために、3か所の税関で投票を受け付けるということまでしている。

 

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(バスもバス停も、投票呼びかけ広告がすごい)

 

で、バスや地下鉄は終日無料にしていた。投票所に足を運んでもらいやすいようにとのことだけど、投票所って普通、家の近所だから、歩いていける範囲なんだけど。却って、投票しようか迷っていた人は、天気もいいし、どこかに出かけようっていう気分になっちゃうと思うけど。政府は何を考えているんだろう?そう思っていたら、やっぱり、みんなただ乗りできるからバスも地下鉄も大混雑。テレビで市民は、「まるで平日の出勤並みの混雑ぶり」「投票は家の近所。飲茶をしにでかけるわ」「公共交通機関を無料にするのと投票は無関係でしょ」と語っていた。

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(無料が表示されている地下鉄の改札口)

 

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(地下鉄駅構内にも投票をよびかける電光広告)

 

さて、新たな選挙制度だが、投票所はどうだったか?

投票所の入り口では、初めて、老人や障害のある人など「特別市民」と「一般市民」と列を分けて並ばせ、「特別市民」を優先的に会場に入れていた。会場では、これまでは香港IDの番号に沿って受付が分かれていたが、今回は、空いている受付に行くように変わっていた。で、前回までは、香港IDを見せると、係員が紙に印字されている有権者リストの中から該当者を選んでチェックしていたが、今回はコンピューターでチェック。そして、受付に設置したタブレットに香港IDと名前が表示され、身元確認を求められる。そして、投票したい立候補者枠に押すスタンプと、A4サイズの投票用紙がセットされた投票板を渡された(これはこれまでと同じ)。板から投票用紙を外して投票箱に入れる時は、これまでは二つ折りにしていたけど、今回は二つ折りにせず、そのまま入れるように変わっていた。

 

テレビでは選挙速報を放送しているけど、開票数は明らかにしておらず、「当選機会大」「当選五分五分」「当選機会小」の3つしか表示していない。12月20日の朝には結果が判明しているだろう。

 

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(ビルにも投票をよびかける電光広告)

 

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(選挙案内広告)

 

それにしても、この凄まじい広告の量。香港政府は一体いくら注ぎ込んだのだろう?

 

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(ハーバートンネル入り口にも巨大選挙広告)

 

 

 

オミクロン株、香港のケースが示唆するもの

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新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」。香港では昨日、3例目が確認された。驚いたのが、この感染者は、先月5日にモデルナワクチンの2回目を打ったばかりだということ。つまり抗体ができたばかりの最も効果的な状態でも、このオミクロンには歯が立たなかったということだ。(冒頭の写真はRTHKニュースから引用)

 

3例のうち、最初の2例は日本でも伝えられているようだけど、同じホテルの向かい合わせの部屋で隔離していた2人。一番最初にオミクロン株の感染が確認されたAさんは、11月11日に香港に入境。同日ホテルで隔離開始。13日に受けたPCRテストで陽性反応。翌日病院に送られる。もう1人のBさんは11月10日に入境。同日中にホテルに移動。12日と14日のPCRテストでは陰性だったが、18日の検査で陽性反応だった。

 

これを受けて防疫センターが19日にホテルの部屋や廊下を調査。87個のサンプル中、25個で陽性反応。うち20個はBさんの部屋から、5個はAさんの部屋のサンプルから検出された。

 

現地視察したウイルス専門家は、Aさんがサージカルマスクをしないで部屋のドアを開けたため、ウイルスが廊下に広がったこと。そして、廊下の空気の流動性が低かったことから、向かいの部屋のBさんがドアを開けた際にウイルスに接触することになり感染してしまったのだろうと分析した。(隔離ホテルでは、配膳されるお弁当は部屋の前の椅子に置かれる)


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(もし専門家の説の通りなら、この距離じゃあ、マスクなしは危ないよなぁ。これは私が隔離していた部屋の前。AさんBさんと私の隔離の日はかぶっているから、仮にAさんが私の隣の部屋だったら、私は完全にアウトだったな)

 

Aさんは換気口のあるマスクをしていたとの話もあり、このウイルス専門家は、同マスクを使わないよう警告。香港政府は即座に、隔離ホテルで換気口のあるマスクやN95のマスクの利用を禁じた。ウイルス持った人がこれらのマスクをして呼吸すると、そこから外にウイルスが漏れるからだとか。ググったら、米国のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)でも、こういうマスクはよろしくないと伝えていた。

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/about-face-coverings.html

(このサイト内のイラストにある、✔️マークは日本の○と同じ意味です)

 

あと、注目すべきは3例のうち2例が無症状ということだ。無症状の方が多いのは怖いし不気味。隔離中に見つかったから今のところは良かったけど、いつどこでこのオミクロンが市中に入り込むとも限らない。

 

ちょっとずれるが、日本は水際対策もPCRの検査体制も貧弱だから、無症状が心配だ。外国人の入国を禁止する前にもう感染者が出ちゃったから、他の人に感染していないことを祈るばかり。同じ便の人を濃厚接触者にして観察対象にしたらしいけど、それだけでいいのか?と思ってしまう。なぜなら私が帰省した時は、感染者が多い国からやってきた人と同じ列に並ばされて怖かったから。

 

話を戻して、香港政府は、南アフリカの国々から入境できるのは香港居民だけにした。そして、該当国から戻って来た人たちは、ホテルではなく検疫センターに7日間隔離され毎日PCRテストを受けることになる。そこで陰性なら、隔離ホテルに移ってさらに14日間隔離となる。隔離ホテルでは1日起きにPCR検査だそう。その後も入境26日目にPCR検査を受けなくてはならずPCR検査漬けにされる。

 

オミクロン株に関する医学的情報はまだまだ少ないようだけど、世界中が警戒しているし、これまでの防疫の経験も活かして、世界中が最小限に食い止めていくよう頑張るしかないと思う。