香港時間 - Hong Kong Time -

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オミクロン株、香港のケースが示唆するもの

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新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」。香港では昨日、3例目が確認された。驚いたのが、この感染者は、先月5日にモデルナワクチンの2回目を打ったばかりだということ。つまり抗体ができたばかりの最も効果的な状態でも、このオミクロンには歯が立たなかったということだ。(冒頭の写真はRTHKニュースから引用)

 

3例のうち、最初の2例は日本でも伝えられているようだけど、同じホテルの向かい合わせの部屋で隔離していた2人。一番最初にオミクロン株の感染が確認されたAさんは、11月11日に香港に入境。同日ホテルで隔離開始。13日に受けたPCRテストで陽性反応。翌日病院に送られる。もう1人のBさんは11月10日に入境。同日中にホテルに移動。12日と14日のPCRテストでは陰性だったが、18日の検査で陽性反応だった。

 

これを受けて防疫センターが19日にホテルの部屋や廊下を調査。87個のサンプル中、25個で陽性反応。うち20個はBさんの部屋から、5個はAさんの部屋のサンプルから検出された。

 

現地視察したウイルス専門家は、Aさんがサージカルマスクをしないで部屋のドアを開けたため、ウイルスが廊下に広がったこと。そして、廊下の空気の流動性が低かったことから、向かいの部屋のBさんがドアを開けた際にウイルスに接触することになり感染してしまったのだろうと分析した。(隔離ホテルでは、配膳されるお弁当は部屋の前の椅子に置かれる)


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(もし専門家の説の通りなら、この距離じゃあ、マスクなしは危ないよなぁ。これは私が隔離していた部屋の前。AさんBさんと私の隔離の日はかぶっているから、仮にAさんが私の隣の部屋だったら、私は完全にアウトだったな)

 

Aさんは換気口のあるマスクをしていたとの話もあり、このウイルス専門家は、同マスクを使わないよう警告。香港政府は即座に、隔離ホテルで換気口のあるマスクやN95のマスクの利用を禁じた。ウイルス持った人がこれらのマスクをして呼吸すると、そこから外にウイルスが漏れるからだとか。ググったら、米国のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)でも、こういうマスクはよろしくないと伝えていた。

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/about-face-coverings.html

(このサイト内のイラストにある、✔️マークは日本の○と同じ意味です)

 

あと、注目すべきは3例のうち2例が無症状ということだ。無症状の方が多いのは怖いし不気味。隔離中に見つかったから今のところは良かったけど、いつどこでこのオミクロンが市中に入り込むとも限らない。

 

ちょっとずれるが、日本は水際対策もPCRの検査体制も貧弱だから、無症状が心配だ。外国人の入国を禁止する前にもう感染者が出ちゃったから、他の人に感染していないことを祈るばかり。同じ便の人を濃厚接触者にして観察対象にしたらしいけど、それだけでいいのか?と思ってしまう。なぜなら私が帰省した時は、感染者が多い国からやってきた人と同じ列に並ばされて怖かったから。

 

話を戻して、香港政府は、南アフリカの国々から入境できるのは香港居民だけにした。そして、該当国から戻って来た人たちは、ホテルではなく検疫センターに7日間隔離され毎日PCRテストを受けることになる。そこで陰性なら、隔離ホテルに移ってさらに14日間隔離となる。隔離ホテルでは1日起きにPCR検査だそう。その後も入境26日目にPCR検査を受けなくてはならずPCR検査漬けにされる。

 

オミクロン株に関する医学的情報はまだまだ少ないようだけど、世界中が警戒しているし、これまでの防疫の経験も活かして、世界中が最小限に食い止めていくよう頑張るしかないと思う。