香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

台湾産パイナップル山積みに

f:id:hongkong2019:20210428024043j:image

最近、果物屋など生鮮食品店でやたらと目立つのが、「台湾産鳳梨(台湾産パイナップル)」だ。中には、「支持台農(台湾農家を応援しよう)」という張り紙をつけて売る店まである。


f:id:hongkong2019:20210428024037j:image

 

これは、台湾産パイナップルの輸出の9割以上を占めるお得意様・中国が、3月1日から輸入を禁止したため、行き場を失った一部が香港にやってきたわけだ。中国の禁止の理由が、自国の作物に影響を及ぼしかねない「害虫」が確認されたから、というものだが、中国が台湾に対して政治的圧力を強化しているとの見方もある。打撃を受けかねない生産農家を支援しようと、日本などで積極的に輸入する動きが出ているようだが、香港もその例外ではないというわけだ。


f:id:hongkong2019:20210428024033j:image

 

店では、「台湾産」と表示して販売しているが、よく見るとパイナップルの表皮についてるシールはさまざま。品種を表示したものもあれば、産地を書いたものもある。一口に台湾産パイナップルといっても、ザッと12種類はあり、缶詰め用に適した品種もあれば、フレッシュな状態でいただける品種もあるという。収穫時期は品種によって異なり、一年中食べられる。

 

ーーーーーーーーーーー

【台湾産パイナップル 12品種】

「釈迦鳳梨」、「蘋果鳳梨」、「香水鳳梨」、「冬蜜鳳梨」、「甜蜜蜜鳳梨」、「金鑽鳳梨」、「金桂花鳳梨」、「蜜寶鳳梨」、「牛奶鳳梨」、「黃金鳳梨」、「蜜香鳳梨」、「芒果鳳梨」

引用: https://www.gotrip.hk/617191/utm_campaign=copy

ーーーーーーーーーーー


f:id:hongkong2019:20210428024040j:image


f:id:hongkong2019:20210428023451j:image

 

香港でこれほどパイナップルが店頭に並んだことはないと思う。品種によって味も違うし、ドリアンと違って表皮は意外と切りやすい。大好きな果物の一つだし、こんなに身近に沢山出回っているんだから、これはもう、いろいろ買って食べ比べるしかない。

「来月英国に移民します」

f:id:hongkong2019:20210415043129j:image

 

2021年4月14日。先日、「ご飯を食べよう」と声をかけてくれた香港人の友人と食事をした。「久しぶり~。元気だった?」と聞く私に、「うん。でも会うのは今日が最後かも。来月イギリスに移民するの」と、笑いながらこう切り出された。

 

「ええ?そうなの?」

 

前回会ったのは、去年の6月。あの時、社会の不満をいろいろ口にしていたけど、移民という言葉は出てきていなかったような。あるいは、冗談ぽく笑い飛ばしながら「移民したい」と言っていたかもしれない。でも、私はその時は、一年も経たずに彼女が香港を去ることになるとは、想像すらしなかった。

 

ご飯を食べつつ、あれこれ話した。

 

移民を考え始めたのは、2019年10月ごろ。反政府デモの破壊行為が一層エスカレートしてきたころだった。彼女は民主派市民の一人だが、政府が大嫌いだから香港を去る、とかではない。「こういう社会に嫌気がさした」のだ。こういう社会とは、民主派と親中派が争いあって、修復不能なほど大きく亀裂した社会だ。2020年に入って法治もなくなったと感じる。そしてやっぱり、「子供の教育や将来を考えて」との決断だった。ご主人も同じで、どちらかが先に言い出したというのではなく、二人とも同じ考えや思いだったという。

 

夫婦の意思は固まった。

 

9月になって、母親(80代)に移民の意思を打ち明け、一緒に英国に行こうと打診した。母親はしばらく考え、ともに移民すると答えを出した。母は香港生まれだ。日本が大好きな息子(中2)にも聞いた。「日本に行く?英国に行く?」と。息子は「日本は旅行でいい。英語が通じる英国に行く」と答えた。

 

友人はネットで情報を収集。学校を探し、コンタクトをとり、息子は昨年12月にオンラインで英語、数学などの試験を受け、今年1月に合格通知を受け取った。学校は決まった。

 

先週、夫婦そろって、各自の会社を退社した。来月の出発までは、引っ越しのための最終準備が始まった。

 

移民先は英国南部だ。ロンドンはコストが高くて無理。それに南部なら、気候的にも合いそうだからだ。英国には、家族だれも行ったことはない。しかし英国は、中国返還前に生まれた香港住民が持つことができたBNO(海外在住英国民旅券)保有者に対して、5年間の居住を認める制度を発表した。(BNOは、以前は渡航用だけで、英国居住は認められなかった)さらに1年延長すれば、永住権がもらえるという。他の移民先のように、犯罪履歴証明を提出する必要もないのだという(この家族が犯罪歴があるということではない。移民受け入れが他国・地域よりも緩いということ)。しかも香港からの移民に対しては、生活支援金も支給されるのだそうだ。今の英国は移民志向の香港人にとっては、渡りに船のような状況といえる。

 

頼れる友人を頼って英国に行くというのではなく、ゼロからスタートで臨む。それでも軽々と移民していくのは、経済的な余裕もあるからだろう。約250万香港ドル(約3500万円)で買った家は780万香港ドル(約1億1000万円)で売れたというから、当面、資金で困ることはない。

 

新たな方向に向けてサバサバしている、レスリー・チャンが大好きな彼女にこんな質問をしてみた。「2年後はレスリーが亡くなって20年。10年の時以上に大々的な追悼イベントがあると思うけど、どうするの?香港に戻ってくるの?」と。彼女から返ってきたのは、「わからないわ。すべてはその時の状況次第。英国でもイベントはあるでしょう」。今は英国での新生活の構築に向けてまっしぐらで、将来的に香港に戻ることなど毛頭考えていないようだった。

 

香港を離れる前に、もう一度一緒にご飯を食べようと約束して別れた。

 

 

 

政治広告のすごいことといったらーー

f:id:hongkong2019:20210401052229j:image

3月31日の地元紙。2大親中新聞を手にしたら、ズッシリときた。いつになく分厚く重いのだ。前日に中国の全国人民代表大会常務委員会が全会一致で可決した、香港の選挙制度見直し案を支持する一面広告の嵐だったのだ。名だたる中国企業や中国系団体などが、可決を支持する文言を赤字で綴っている。

(写真は、「大公報」、「文匯報」の3月31日付新聞に織り込まれた1面広告の一例)

 

一昔前までは、こうした広告は、香港の中国返還記念日など、お祝い行事に合わせて登場した。ところが、ここ最近は国安法の法案可決や、今回のように、政府主導で政治的な重要決定がなされた翌日が、賑やかだ。

 

今回可決された見直し案とは、民主派勢力を香港政治から実質的に排除するものだ。立法会(議会)選で民意が反映されやすい直接選挙枠が大幅に削減される。香港トップの行政長官選も政権側が認める「愛国者」以外は立候補できなくなる。

 

香港の憲法に相当する「基本法」は、行政長官や立法会議員について「最終的に普通選挙で選出するのが目標」と明記しているが、常務委は、基本法で選挙のあり方を定めた付則文書を修正することで今回の見直し案を進めた格好だ。今後この可決案をもとに香港側で立法会が審議するが、民主派が一斉に辞職した今の立法会は親政府派で占められているので、実質可決したも同然だ。

 

「自分の思いを100%託せる人を香港のトップに」と、これまで一人1票の普通選挙を目指して、毎年返還記念日に「爭取普選(普通選挙を勝ち取ろう)」と訴えて来た「7・1民主化デモ」の歴史は2019年で終わったことになる。(2020年は新型コロナでデモができなかったので) 。

 

常務委での可決を受けて行政長官は、15の媒体に1面広告を出した。投じた費用は280万香港ドル(約4000万円)。「選挙制度が見直され、愛国者が香港を治めることができる」と書いてある。

f:id:hongkong2019:20210401060416j:image

(行政長官の名前で出した一面広告。「RTHK」ネットニュースから)

 

全会一致ーー。常務委では、反対者ゼロという賛否結果で法案が採択された。一方、香港には、自由という風土のもと、何かあれば声を上げて意を唱え、訴えかけていくという香港的スタイルが根付いている。反対者ゼロが主導で進むその先の香港とは、一体どういうものなのだろうか?

 

【地元4紙の3月31日付一面】

●リンゴ日報(蘋果日報

f:id:hongkong2019:20210401060844j:image

 

●明報
f:id:hongkong2019:20210401060840j:image

 

●大公報 (1面と最終面の見開き)
f:id:hongkong2019:20210401060848j:image

 

●文匯報(1面と最終面の見開き)
f:id:hongkong2019:20210401060837j:image

キャンプ場がネオン街に!?

f:id:hongkong2019:20210329025340j:image

3月27日、香港人の友人がキャンプ場から送ってきてくれた夜の風景ビデオに驚いた。ここ数年間、穴場で私の憩いの場所だった離島・東龍島に、ギッシリとテントがひしめき、夜は"ネオン街"に変貌していたのだ!?

 

2020年2月22日に香港で初の新型コロナウイルスの感染例が出てから既に一年以上経つが、昨秋以降、香港のアウトドア人口は爆発的に増えた。これまでなら、休みと言えば多くの人が海外旅行に出かけていったが、世界的なコロナ禍でそうも行かず、香港内で余暇を過ごすしかないからだ。しかも感染状況に応じて香港政府はたびたび映画館や運動場、ジムなどを営業停止にしている。となると向かうは必然、離島やビーチ、山などになる。


f:id:hongkong2019:20210329025406j:image

 

私も去年はあちこち行ったが、香港人の友人や同僚も同じ。で、「歩いて見たら香港は、驚くほど自然が綺麗な場所が沢山ある」と、涼しくなった昨秋以降はアウトドアでリフレッシュする香港市民が増えているのだ。週末は繁華街よりハイキング場所の方が人口密度が高かったりする。

 

アウトドア用品店も買い物客でいっぱいだ。


f:id:hongkong2019:20210329025410j:image

 

で、キャンプ人口もものすごく増えている。友人が送ってきたビデオでは、所狭しとひしめくテントの数にビックリしたが、ライトアップしたテントがここ、そこ、あそこ、むこう、そのまたむこうにも!と言った感じでキラキラしていることに仰天した。

 

f:id:hongkong2019:20210329025844j:image



コロナ前の夜のキャンプ場で見たのは、野球ボール大のLEDライトを一個取り付けるぐらい。ネオン飾りのようにテントに小さなライトを張り巡らすのは見たことがなかった。新たなキャンプ人口が、この“ネオンスタイル”を持ち込んだと言えるが、真夜中でもネオンがキラキラしている不夜城・香港で育つと大自然の中でもネオンがないと落ち着かないのか?

 

f:id:hongkong2019:20210329025517j:image

 

高密度のキャンプ場にしても、人がいるところに集まりたがる香港人の習性らしいと思ってみたり。

 

で、この様子を教えてくれた友人の見立てはこうだ。香港では、若者達の間で、staycation (香港のホテルで旅行気分を味わってもらおうという格安宿泊パッケージ)を利用して、ホテルの窓にネオン飾りをしてパーティーをしたり誕生日を祝ったりしているが、そのパターンがキャンプ場にも持ち込まれたのではないか?と。 テントをライトアップしてホテルではなくキャンプ場で誕生日を祝ったとか、staycationで使ったネオン飾りをキャンプでも飾ったとかいう若者がいて、いいなと思った人たちが追随していったのではないか、と。なるほど一理ある。

 

f:id:hongkong2019:20210329025618j:image

 

日本のネットを見たら、飾りの灯りは、デコレーションライトといい、日本でも売られているから、香港に限らずキャンプの新たなスタイルなのかもしれないが。


f:id:hongkong2019:20210329025848j:image

まぁそうはいっても、テントをライトアップするスタイルは、コロナ禍が産んだ香港でのキャンプの流行といえそうだ。喧騒を離れて、大自然の中に身を置いて静かにのんびりと---ではなく、キラキラ・ワイワイとするのがコロナ禍の香港流キャンプらしい。

(注)ネオン飾りの写真は友人のビデオ映像を切り取ったもの。昼間の物は写真。

香港島ハイキングで野生の猪たちに遭遇

f:id:hongkong2019:20210301014514j:plain

2月28日の昼下がり。香港島の繁華街から山側に入ったダム周辺で、野生の猪2組5頭に遭遇した。天気もよかったから、というわけではないと思うが、1頭などは相当な至近距離だったにも関わらず、人の気配を気にすることなく、水辺に沿って食べ物を探しながらのんびりと歩いていた。

 

お昼過ぎ、出かけて行ったのは、ダムがある自然公園。香港島北側の中心地・湾仔から山側に入っていき、山の中腹から香港島南側に抜ける2~3時間の簡単なハイキングコースだ。南側に抜ける途中に香港仔上水塘と香港仔下水塘という2つのダムがある。そのうちの下のダムの眺めがすこぶる綺麗なのだ。

f:id:hongkong2019:20210301014743j:plain

途中、遊歩道を歩いていたら、前方で大勢のハイキング客が側溝の柵越しに林の中を眺めている。なんと、彼らの前方には、野生の猪の親子がのんびりと寝転がったり枯葉を掘り返して遊んでいた(餌を探していたのかも)。この親子、しばしハイキング客を楽しませたあと、やがて山林の奥の方へと消えていった。

 

f:id:hongkong2019:20210301025237j:image

 

香港でハイキング途中に、野生の猪や牛に遭遇するのは珍しいことではない。牛は以前からあちこちでみかけて慣れているが、猪はあっても遠目でしかみたことがなかった。しかし、昨年12月、山道に突然一頭の野生の猪がヒョッコリ顔を出したと思ったら、静止してジッと見つめられたことがあった。私の頭の中には、「猪突猛進」という言葉が浮かび、今にもスタートダッシュしてこっちに突進してくるのではないか、と肝をつぶした経験がある。結局、対峙したのも束の間、「フン」といった素振りで、向きを変えてゆっくりと竹藪の中に入っていった。良かったと胸を撫で下ろしたら、今度は別の猪が私の横の林からゴソゴソと出てきて、また肝をつぶすという珍事があった。

 

f:id:hongkong2019:20210301025403j:image

 

その時一緒にいた香港人の友人は、「香港の野生の猪は人に慣れている。全然野性っぽくないから大丈夫だよ」と平然としていた。今回も、大勢のハイキング客は、怖がる風でもなく、むしろ遭遇したことを喜び、愛着をもって眺めているようですらあった。やっぱり香港では、野生の猪と人間の距離は、私の頭の中にある距離感よりもはるかに近いらしい。

 

「今日は、雨だった昨日と打って変わって、天気もいいし、猪4頭に出くわすなんて、面白いハイキングだな」などと思いながら、下のダムに降りて行ったら、なんと前方の水辺でまたもや猪一頭が、こちらにお尻を向けている。近づくと、土を掘り返しては口をモグモグさせている。人の気配を気にする風でもない。更に近づいて、猪を追い越して対面する位置に回って目を合わせても、一瞥しただけで、また食べ物を探し出す。人が歩く水辺のこんな所に白昼堂々とやってきて、人にお構いなしに餌をさがしているとは恐れ入った。これが香港の繁華街からわずか2時間ぐらい歩いたところで目にする光景なのだ。

f:id:hongkong2019:20210301014647j:plain


私の場合、途中、ベンチに座って持参したお昼を食べたり、写真を撮ったりしていたので、のんびり歩いて3時間ぐらい。この自然公園の散歩コースを出たらすぐに住宅街。タイミングよく家の近所に行くバスが来たので、そのまま帰宅した。そうじゃなかったら、どこかの飲食店に入って下午茶(アフタヌーンティー)をするつもりだった。香港は、交通が便利で、手軽に自然に触れるハイキングコースが沢山あるのがいい。しかし、こんな猪日和になるとは思いもよらない2月最後の昼下がりだった。

 

 

牛年ということで、牛山に行ってきた

f:id:hongkong2019:20210218011919j:image

2月12日に香港は春節牛年を迎え、名実ともに2021年が始まった。春節休暇中に、昨年の年の瀬(と言っても西暦2021年1月だけど)に予定しながら行けずじまいだった山に行こうということで、春節2日目(大年初二)の2月13日に水牛山と黄牛山に登ってきた。

f:id:hongkong2019:20210218011454j:image

 

いつも参考にしているハイキングサイトではこのコースを「黄牛石城」と紹介している。偶然にも、ネズミ年には行けず、牛年に行くことになったが、これがまさに牛年新年に相応しい山登りとなった。写真だけしか見たことがない私の勝手な想像だけど、あの世界遺産熊野古道のような、神がかった道を抜けて牛山にたどり着くとは想像だにしなかった。

 

f:id:hongkong2019:20210218010838j:image

 

水牛山と黄牛山は新界東部に位置する。2つの山は尾根続きで並んでいる。標高600メートル程度だが、難度は高級。ここに巨大な石群があるので、「黄牛石城」と言われるらしい。

f:id:hongkong2019:20210218001054j:image

 

まずは、西貢に行くミニバスに乗り、蠔涌村で下車。歩き出すと「車公廟」があり、多くの市民が参拝している。「車公廟」といえば、沙田の「車公廟」が有名だけど、こんなところにも同じ名前であるとは知らなかった。(で、調べてみたらこっちの方が470年以上の歴史ある廟。言わば本家本元。観光客にも有名な沙田の方は後から建てられたものだが建設時期は不明。確認できるのは1890年に再建されたことだけだそう。なんだ、そうだったのか。)

 

f:id:hongkong2019:20210217144939j:image

 

車公廟を後にして、いくつかの村を抜けてようやく山道に着く。途中行き交う人の9割は西洋人。このエリアの環境は西洋人が好きそうだしな、と納得する。

 

山道を登り出してしばらくしたら、年配のおじさんたちが下山してきた。「新年快樂!(あけましておめでとう!)」そんな挨拶を交わしながらすれ違った。いい気分。それにしてもこの時間に下山とは早いなぁと思った。

 

山道は大小さまざまなな石と岩を樹木が覆う。岩の合間を水が流れる。木洩れ日の中、石畳の道を歩いて行く。とても気持ちがいい。

f:id:hongkong2019:20210217145059j:image


f:id:hongkong2019:20210218002529j:image



程なくして、木の精霊を祀ったようなお供えがあった。なるほど、さっきすれ違ったおじさん達が、山の神にお供えの蝋燭の火を灯し、線香を立てにやってきていたのだった。

f:id:hongkong2019:20210218002630j:image
f:id:hongkong2019:20210218002634j:image

 

さらに登って行くと、山道脇にお供えの線香と共に水やみかんなどが。

f:id:hongkong2019:20210218011040j:image

f:id:hongkong2019:20210218002702j:image

 

その先に進むと、今度は祖先を祀ったとみられる廟が。風水的にいい立地なのだろう。元旦に爆竹を鳴らしたとみえ、地面に真っ赤な爆竹の残骸が。

f:id:hongkong2019:20210218011118j:image
f:id:hongkong2019:20210218011114j:image

 

森のエネルギーを全身に浴びている感じで、まさにパワースポットっぽい。思い浮かんだのが、熊野古道の写真だった。更に歩くと、またもや神への祈りが書かれた赤い紙が木に飾られている。

 

f:id:hongkong2019:20210218003414j:image
f:id:hongkong2019:20210218003411j:image

 

ここから先は、ほとんどルートのない山道。誰かが木に結んだ道標のリボンを頼りに藪の中を突き進む。

f:id:hongkong2019:20210218011158j:image

 

やがて視界が開き、見えたのが尾根を挟んでそびえる2つの山。右手が水牛山。左手が黄牛山。

f:id:hongkong2019:20210218011424j:image

 

途中で東に目を向けると眼下に西貢方向の景色。停泊している無数の白いヨットが、アヒルの集団に見える。香港人は本当にお金持ちだなぁ。

f:id:hongkong2019:20210218011228j:image

 

 

f:id:hongkong2019:20210218003702j:image

山の頂上。岩に登って記念写真を撮る人たち。

 

f:id:hongkong2019:20210217150220j:image

巨大な岩が重なり合っている。

黄牛山を西南に下ったところに石城が。そのうちの一つ、石の窓に見える「石天窓」は最も有名らしく、大勢の登山者が記念写真を撮ろうと並んでいた。私は、屋外とはいえコロナ禍だし、遠目で見て引き返す。

f:id:hongkong2019:20210218011311j:image

 

下山に向けて石芽山に向かう頃には、西の空がうっすらと赤みがかっていた。きっとここから見る夕日は綺麗だろう。交通の便もいいし、神聖な山道も、藪の中も、牛の山々も楽しかった。次回は、石天窓と夕陽を見に来たい。

f:id:hongkong2019:20210218011320j:image

 

 

コロナの新規感染者、3ヶ月ぶりに1ケタに

f:id:hongkong2019:20210216134553j:image

2月15日、新型コロナウイルスの新規感染者が9人となり、3か月ぶりにやっと1ケタ台まで減少した。このうち4人は地元感染者で、うち3人は感染源が不明だ。また、この9人とは別に少なくとも10例が初期検査で感染と確認されており、香港政府衛生署は、市民に気を緩めないでと呼びかけている。(感染者数の推移を示すグラフは2月16日付「文匯報」)


クリスマス休暇も春節休暇も厳しい規制の中で、楽しいイベントが次々と中止となり、重たい空気が漂っていただけに、1ケタと聞き、ようやくここまできたか、という感がある。

f:id:hongkong2019:20210216140511j:image

(例年に比べて閑散とした大晦日(2月11日)の花市)


しかし、市民の香港政府に対する視線は冷たい。政府は1月23日から突然、新規感染が確認された人が住む住宅ビルを封鎖して居住者全員のウイルス検査に乗り出すという、これまででは考えられない手法に乗り出した。そして林鄭月娥行政長官自らが、現地に赴き医療従事者を激励している。しかし、多くの市民の目には、「これらは一生懸命対策を取ってますという『演技』にすぎない」と映っているからだ。


f:id:hongkong2019:20210216135012j:image

(封鎖されたジョーダン地区の一角)


「香港のコロナが心配」との親分の声を忖度したというのがもっぱらの見方だ。(私でさえ、本土に住む複数の中国人の友人(つまり一般市民レベル)から「なんで香港はコロナを抑えられないの?」と質問される。中国でさえ(おまけにマカオも)抑えられたのに、なぜ香港は抑えられないの? という思いがあるらしい。当然、中国政府だってそう思っているはず) 。

 

f:id:hongkong2019:20210216135509j:image

(透明なボードで仕切られたテーブル)


それはさておき、政府当局が「油断しないで」と呼びかけたのは、(1)最近の減少傾向は、春節休暇を優先して病院に行くのを後回しにしていた市民がいると考えられること(2)4連休中に多くの場所が市民で混雑していたため、感染リスクが高まったことーーなどで、感染者数が再び増加に転じる可能性もあるためだ。

 

f:id:hongkong2019:20210216135746j:image

(運気が良くなるようにと買い求められる風車)


今年の春節休暇は、海外旅行ができず香港で過ごすしかなかった。しかも、連休中は好天に恵まれたため、離島巡りやハイキングなど、人気スポットは市民で大混雑だったのだ。休暇中に感染した場合、休暇明け14日前後に感染確認が出てくる可能性がある。


ただ、政府は2月10日に、18日から一部規制を緩和すると発表している。レストランの店内飲食が午後5時59分から午後10時までに延長され、1テーブル2人までが4人までとなる。テーマパークやジム、エステサロンの営業も再開される。(これを受け、これまで自宅待機だった従業員が、仕事再開前にウイルス検査を受けるよう雇用主から命じられているようで、政府が設置した19のPCR検査センターのうち、16カ所は16日から3日間の予約がいっぱいだそう。)


予定では2月末からワクチン摂取も始まるが、クリスマスも春節も、夜の店内飲食が禁止だっただけに、18日以降はレストランにも客が戻り、少しは活気が戻ってきそうだ。

f:id:hongkong2019:20210216140052j:image

(2021年、香港の運気は果たしてーーー)


(春節休暇中の新規感染者数)

2月15日:9人

2月14日:12人

2月13日:12人

2月12日:24人

2月11日:21人

2月10日:17人←2月18日からの一部規制緩和を発表

2月9日:26人

2月8日:32人

2月7日:27人

2月6日:19人

2月5日:37人

2月4日:22人

2月3日:19人

2月2日:25人

2月1日:34人

1月31日:53人

1月30日:28人

1月29日:50人

1月28日:39人

1月27日:60人

1月26日:64人

1月25日:73人

1月24日:76人

1月23日:81人← 早朝から九龍半島の佐敦地区の一部を封鎖。以後、感染者が住居する住宅ビルは封鎖。居住者全員のPCR検査を始める。

1月22日:61人

1月21日:70人

1月20日:77人