香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

キャンプ場がネオン街に!?

f:id:hongkong2019:20210329025340j:image

3月27日、香港人の友人がキャンプ場から送ってきてくれた夜の風景ビデオに驚いた。ここ数年間、穴場で私の憩いの場所だった離島・東龍島に、ギッシリとテントがひしめき、夜は"ネオン街"に変貌していたのだ!?

 

2020年2月22日に香港で初の新型コロナウイルスの感染例が出てから既に一年以上経つが、昨秋以降、香港のアウトドア人口は爆発的に増えた。これまでなら、休みと言えば多くの人が海外旅行に出かけていったが、世界的なコロナ禍でそうも行かず、香港内で余暇を過ごすしかないからだ。しかも感染状況に応じて香港政府はたびたび映画館や運動場、ジムなどを営業停止にしている。となると向かうは必然、離島やビーチ、山などになる。


f:id:hongkong2019:20210329025406j:image

 

私も去年はあちこち行ったが、香港人の友人や同僚も同じ。で、「歩いて見たら香港は、驚くほど自然が綺麗な場所が沢山ある」と、涼しくなった昨秋以降はアウトドアでリフレッシュする香港市民が増えているのだ。週末は繁華街よりハイキング場所の方が人口密度が高かったりする。

 

アウトドア用品店も買い物客でいっぱいだ。


f:id:hongkong2019:20210329025410j:image

 

で、キャンプ人口もものすごく増えている。友人が送ってきたビデオでは、所狭しとひしめくテントの数にビックリしたが、ライトアップしたテントがここ、そこ、あそこ、むこう、そのまたむこうにも!と言った感じでキラキラしていることに仰天した。

 

f:id:hongkong2019:20210329025844j:image



コロナ前の夜のキャンプ場で見たのは、野球ボール大のLEDライトを一個取り付けるぐらい。ネオン飾りのようにテントに小さなライトを張り巡らすのは見たことがなかった。新たなキャンプ人口が、この“ネオンスタイル”を持ち込んだと言えるが、真夜中でもネオンがキラキラしている不夜城・香港で育つと大自然の中でもネオンがないと落ち着かないのか?

 

f:id:hongkong2019:20210329025517j:image

 

高密度のキャンプ場にしても、人がいるところに集まりたがる香港人の習性らしいと思ってみたり。

 

で、この様子を教えてくれた友人の見立てはこうだ。香港では、若者達の間で、staycation (香港のホテルで旅行気分を味わってもらおうという格安宿泊パッケージ)を利用して、ホテルの窓にネオン飾りをしてパーティーをしたり誕生日を祝ったりしているが、そのパターンがキャンプ場にも持ち込まれたのではないか?と。 テントをライトアップしてホテルではなくキャンプ場で誕生日を祝ったとか、staycationで使ったネオン飾りをキャンプでも飾ったとかいう若者がいて、いいなと思った人たちが追随していったのではないか、と。なるほど一理ある。

 

f:id:hongkong2019:20210329025618j:image

 

日本のネットを見たら、飾りの灯りは、デコレーションライトといい、日本でも売られているから、香港に限らずキャンプの新たなスタイルなのかもしれないが。


f:id:hongkong2019:20210329025848j:image

まぁそうはいっても、テントをライトアップするスタイルは、コロナ禍が産んだ香港でのキャンプの流行といえそうだ。喧騒を離れて、大自然の中に身を置いて静かにのんびりと---ではなく、キラキラ・ワイワイとするのがコロナ禍の香港流キャンプらしい。

(注)ネオン飾りの写真は友人のビデオ映像を切り取ったもの。昼間の物は写真。