香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

国安法違反容疑で逮捕10人、翌日の各紙の1面

最近は毎日毎日、コロナの感染者が増えた/減った、香港国家安全維持法(国安法)がらみで誰がどうした/どうされた、立法会(議会)選挙の民主派立候補者が出馬資格を失った、いやそれより議会は1年延期になりそうだがそうなると……、などなど、香港社会が目まぐるしく、休むまもないぐらい慌ただしい。

 

そんな中、8月10日に、「蘋果日報(アップル・デイリー)」の創業者で、反中で知られる黎智英(ジミー・ライ)氏らが国安法違反の疑いで逮捕された。社会に大きな衝撃を与えたこの事件の、翌8月11日付の新聞各社の伝え方は様々。香港各紙の1面の写真と見出しを簡単に紹介。

 

ちなみに、警察は、23歳から72歳までの男性9人、女性1名を国安法違反の疑いで逮捕したとだけ。実名は公表していない。

 

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蘋果日報(アップル・デイリー)」:捜査のために、蘋果日報を発行するネクスト・デジタル社ビルに連行されたライ氏の真正面写真とともに、「蘋果日報は絶対発行し続ける」の見出し)


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「明報」:「国安法を担当する警察が、(蘋果日報を発行する)ネクスト・デジタル社を捜査。ジミー・ライ氏、周庭(アグネス・チョウ)氏ら10人を拘束」という見出しで、警察の捜査当時の様子を伝える写真や、当日逮捕された10人のうち7人の顔写を掲載。逮捕者以外に警察が行方を追っている人物も報道。


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「大公報」: 1面と最終面をセットにして編集。1面側は、「大快人心 (悪人が罰せられて大いに喜ばしい、の意味)」の四字熟語と共に、手錠をかけられて自宅から連行されるジミー・ライ氏の様子を掲載。


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「文匯報」:1面と最終面をセットにして編集。1面側は、「デブのライ(ジミー・ライのこと)がお縄にかかった」とし、最終面では「国家の安全を脅かすと間違いなく不幸になる」と続けた。こちらも手錠をかけられて自宅から連行されるライ氏の様子や、他の容疑者が連行される写真を掲載)

 

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「東方日報」: 「ジミー・ライ親子3人を拘束。1日で10人連行、マーク・サイモン氏を指名手配」の見出しと共に、親子3人の名前と顔写真なども掲載)

 


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「星島日報」:1面は、この日採択される予定の、立法会(議会)の任期延長に伴う現職議員の延長問題についての記事で、ライ氏ら逮捕の記事は2面以下)

 


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「サウナチャイナ・モーニングポスト」:「警察がジミー・ライを突然逮捕に」という見出しとともに、警官が、蘋果日報を発行するネクスト・デジタル社の捜査に乗り込む写真をメーンに掲載