香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

2021年6月5日 主要各紙は何を伝えたか

香港で6月4日といえば、多くの市民が思い浮かべるのは、1989年の天安門事件を追悼する「64集会」。今年は「国安法」が施行されて初めての6月4日。しかも新型コロナの感染予防のために集会の開催は許可されなかった。6月2日から6月4日までの関連の出来事を伝える香港の主要各紙を、3回に分けて追ってみる。

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6月5日 この日は警察7000人が違法集会の警戒にあたると報道されていたが、日中からビクトリア公園以外だけでなく、郊外でも警察や警察車を見かけて緊張感が。ただ警察は2019年の反政府デモの時に比べたらリラックスしていた。仕事が終わって街中を散歩してみたが、市民も警察も久しぶりに大勢が街に出ていた。色んな光景があり一口では言い切れない。そんな様子が、各紙でもわかる。どこに主体を置いて伝えるかで、内容は異なってくる。以下、その6月4日を伝える香港各のの1面。実際の紙面はもっとあるが、トップにどんなニュースを持ってきたかを紹介。

 

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「アップルデイリー」:1面と最終面の見開きで前日に市民が天安門事件を追悼するから様子を紹介


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「明報」:1面は不動産広告。2面は、「64集会」の32年目でもあり、「国安法」施行後初の「64集会」でもあるとして街の様子を紹介。3面では過去の集会の様子を伝える写真も。同紙は、最近は中国寄りと言われているが、こういうところはやっぱりキッチリと報道してくる。


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「大公報」の1面は、新型コロナの変異種に17歳の少女が感染したことを伝えるニュース。3面で香港警察が、「64集会」を主催してきた団体幹部を逮捕したことを報道。「ビクトリア公園での集会を行おうとした」ため。ここでも64集会とは記載せず、集会とだけ。

 


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「文匯報」の1面は、「大公報」と同じニュース。8面で、大公報の3面と同じ内容のニュース。支連会の幹部がビクトリア公園で違法集会を行おうとした疑いで逮捕されたと報道。こちらも「64集会」とは記載せず。

 

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「東方日報」1面:ビクトリア公園が封鎖され、各地が騒然となったとの報道


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「星島日報」の1面は不動産広告。2面は、警察が違法集会を徹底阻止した様子を報道。