香港時間 - Hong Kong Time -

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「8.18」はデモ鎮圧のXデーになるのか?

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8月18日午後、香港島ビクトリア公園で「逃亡犯条例の改正案撤回」などを訴えた抗議集会 (「8.18」)が行われる。6月9日の大規模なデモ行進以降、抗議活動は長期化し、デモ隊と警察の衝突はエスカレートする一方だ。15日には中国の武装部隊が香港に入ったとみられており、政府はこの集会で収束に向けて一気に動くとの見方が広がっている。一方、市民の間ではデモへの参加を呼びかけており、かつてないほど緊張が高まっている。

 

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集会を主催するのは、民間人権陣線。デモは様々な団体が自発的に行っているが、過去にこの団体が主催したデモでは、6月9日は約100万人が、6月16日は約200万人の市民が参加して、ビクトリア公園から香港島の主要道路を行進。平和的なデモを成功させている。


今回も前回同様、集会とデモ行進(ビクトリア公園からチャーター公園まで)を申請したが、安全を理由に警察から許可が降りたのはビクトリア公園での集会のみ。予想参加者100万人に対して公園の収容可能人数は10万人。このため、主催者は、参加者に15分ほど公園に滞留して離れるよう呼びかけ、混乱をふせぎたい構えだ。ただ周囲の道路は一部封鎖される模様で、参加者の人数次第では周辺の混乱は避けられないかもしれない。集会会場を出た後に、許可のない場所でデモ行進や抗議活動を行う市民が出てくる可能性もある。

 

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市民の間では、「どこで何が起こるかわからない」し、「集会の中に香港警察や中国の武装警察が紛れ込んで何かをするかもしれない。衝突の可能性は十分ある」と警戒感が高まっている。

 

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今回の「逃亡犯条例の改正案反対」をめぐる一連のデモは、かつてないほど動員力がある。ただ、リーダーがおらず、的確な戦略もないなか過激な行為に出ているとあって、違法行為で拘束された市民はすでに700人を超えた。仮に解放軍が出てきてデモを鎮圧させる事態になれば、「一国二制度」は死んだとみなされ国際金融都市・香港の価値は大きく下がることになる。香港だけでなく、世界中がこのデモの行方を注目しているはずだ。