封じ込まれる「集会の自由」
香港政府は、新型コロナ対策として6月4日まで禁じている9人以上の集まりをさらに2週間延ばして、6月18日までとすると発表した。新型コロナは、地元市民の感染例ゼロが続いていたが、ここに来て小規模ながら集団発生が起こっていることを考慮しての措置というがー。
この延長措置で、
(1):30年続いた、6月4日の天安門事件を追悼する「6・4集会」
(2):「逃亡犯条例改正案」に反対した、6月9日の市民100万人の抗議デモから1周年
(3):(2)に関連して6月12日の立法会(議会)ビルを取り囲んだ抗議活動から1周年
(4):(2)と(3)に関連して、6月16日に行われた市民200万人による抗議デモから1周年
ーーという「集会の自由」が、体よくすべて実施できなくなった。
(2)-(4)は、あくまで予想されるデモ行進として挙げたものだが、9人以上の集まりが禁じられていることや(1)が警察によって許可されなかったことから、申請をしたところで、結果は想像できる。仮に5月24日や25日のようなデモ行進や集会が行われた場合は、違法行為として逮捕されることになる。
これまで、民主派市民は「集会の自由」のもとで集結して声をあげ、2003年には「国家安全条例(基本法23条)」の撤回、2008年に起こった「リーマン・ショック」では、「(紙くずとなった)リーマン債の元本払い戻し」の獲得、2012年には「愛国教育の義務化」の撤回を勝ち取ってきた。
しかし、コロナ対策のもと、「集会の自由」が阻まれては、これまでのように集結して声を発することができない。民主派はなす術がなく、どんどん追い込まれている。
*冒頭の写真は「RTHK」から
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