1989年の天安門事件の犠牲者を追悼する、恒例のビクトリア公園での「6・4集会」。31回目の今年は、新型コロナ対策を理由に警察からは集会の許可が下りず、違法の中で行われた。にもかかわらず、多くの市民が集まり、「平反六四(事件は学生の動乱という評価を見直せ)」と訴えた。
ビクトリア公園での集会が認められなかったことから、主催者団体の「香港市民支援愛国民主運動聯合会(支聯会)」は、メンバー数人で公園で行うが、市民には各地で行う集会か、ネットを見ながら自宅で追悼して欲しいと呼びかけた。
しかし、「違法だろうが公園に来るつもりだった」(年配の男性)というように、多くの市民が続々とビクトリア公園に集結。事件の犠牲者を追悼した。時折、参加している市民の中から、昨夏以降の反政府活動のスローガンを訴えたり、テーマソングを歌う場面もあり、追悼だけでなく、政府に抗議する場面もあった。集会がほぼ終了した頃、香港独立の旗を持った若者たちが公園内を旗を振りながら行進するという場面もあった。
警察は公園周辺で警備に当たったが、支聯会が封鎖された公園内に侵入して違法集会を始めても強制排除しなかった。さらに多くの市民が集まったが、市民と警察が衝突することはなかった。(モンコックでは一部の若者が道路を封鎖するなどし警察に逮捕された)
追悼集会後に場内で香港独立派が雄叫びをあげたのは違和感ありありだったが、今後導入される「国家安全法」を前に、揺れる香港を象徴している光景だとも言える。それにしても禁じられようが声を発する市民の力は迫力がある。各地でも、祈りのキャンドルライトの花が開いた。(まさに主催団体が狙った「偏地開花」)しかし、来年はどんな6月4日になるのだろうか?
以下写真で説明
新界地区の集会エリアの一つ葵芳の、地下鉄「葵芳駅」前の夕方。天安門事件が起きた6月4日を忘れるなというポスター。
「葵芳駅」前では午後6:30から無料でキャンドルが配られた。ビクトリア公園での集会が禁止されたため、支聯会が、香港各地でキャンドルを配り、午後8時から一斉にキャンドルを灯して追悼しようと呼びかけたことに市民が応じたもの。支聯会はまた、ネットを見ながら自宅などで追悼する方法も用意した。
ビクトリア公園に向かう地下鉄「銅鑼湾駅」出口。地下鉄職員が整備にあたる中、警官は遠くから警備。午後7:00ごろ。
地下鉄「銅鑼湾駅」出口正面。午後7時ごろにはすでに続々と市民がビクトリア公園に向かっていた。例年並みの熱気と雰囲気だったが、違法集会は怖くないのか?
支聯会の募金箱にHKD100(約1400円)が次々と寄付されていった。
「1989年に北京で民主を求めた若者たちが政府に弾圧されたことと同じことが今香港で起こっている」と危機感をあらわにした25歳の勇武派の若者。
同じ勇武派グループの若者。警察は残忍な行為を止めろ、と訴えている。
勇武派のブースもあった
ビラを配る人。
「このままでは香港らしさが消滅して、香港は中国の一省になってしまう。僕は何もしないで後悔したくない」と立ち上がって声を発する19歳の大学生。
ビクトリア公園の噴水脇で。
ビクトリア公園に向かっていく市民を監視する警察官。
ビクトリア公園の外側のベンチに座って、集会が集まるのを待っている市民。
5本の指を天に向かって伸ばし、昨年から続く反政府デモで掲げられている「5大要求」を訴えて、声を上げる市民。
犠牲者への祈りのキャンドル
ビクトリア公園で倒された鉄の柵。市民はここを突破して場内へ侵入。支聯会に合流した。
新型コロナ対策で規制されている、「1グループ8人まで」と「社会距離の1.5メートル」は維持されていた。
平和理に集会が終わった後に取材を受ける支聯会リーダー。
集会が終わった後、香港独立の旗を掲げた若者らが場内を行進した。
場内の地面に書かれた「反共 自由 HK 」の文字
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