香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

旅立つ人 見送る人

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2021年5月23日午後。友人家族と友人の母が、香港国際空港から英国に向けて飛び立った。

 

(関連ブログ)

https://hongkong2019.hatenablog.com/entry/2021/04/15/042623

 

コロナ禍で、人の往来にブレーキがかかり、ガランとした空港。ところどころで目につくのは、輪になっている集団だ。最近のこうした光景は、移住のために香港を離れる人と、見送りに来た人たちのグループだと推測できる。

 

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友人家族も、ご主人側の一族が見送りに来て、総勢20人ほどの集団になっていた。チェックイン手続きを済ませて、しばらくカウンター付近で、写真を撮ったり話したり。やがて、誰ともなしに「そろそろ時間だ」と言うと、それまでの団欒のムードから、ちょっと重い空気になる。みなでゆっくりと出発ゲートへと向かう。

 

出発ゲート前でまた立ち止まる。旅行とは違って、ゲートに入ったら、当分会えなくなる。「身体に気をつけて」「頑張れよ」など、言葉を交わしたり、写真を撮ったり、ハグをしたりして、最後の別れを惜しんだ。

 

友人家族らが搭乗券とパスポートを見せて、ゲートをくぐると、日本好きの彼らを慮ってか、見送る一族側から「日本で会おうね〜!」と、手を振って送り出す。友人家族らも、笑顔で大きく手を振って応えて、検査所へと消えていった。

 

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明るい言葉で送り出したとはいえ、友人のご主人のお母さんや兄弟は目に涙を滲ませていた。今はビデオ通話などで簡単にやり取りができるけど、香港人家族の結束は、総じて強いから、私なんかでは理解できないほどの複雑な感情なのだろうと想像する。

 

移民が相次ぐ香港。香港の空港ではしばらく、こう言う光景が多く見られることだろう。