この2ヶ月余りの週末ハイキングで、わかったことがある。日本人が真っ赤に染まった紅葉や黄色く色づいたイチョウを見て、「ああ秋だなぁ」と感じるように、香港人はススキを見て秋を感じ、心躍らせるということだ。
香港は日本のように四季のメリハリはないが、10月11月は、灼熱の夏が終わり、気温25度前後でカラッとした晴天が続く。その季節に誘われるように、ハイキングに行く人が増える。今年は世界で新型コロナ肺炎が流行し、海外旅行に行けない分、香港でハイキングする人が増えている。香港は、気軽にハイキングや山登りに行くことができるし、行った先々では心が洗われるような絶景が待っているのだ。
私も香港人の友人に誘われて、毎週末どこかしらに出かけている。で、気づいたのが、山を歩きながら「うわぁススキだ〜」といって足を止めて、写真に収めるハイカーの多いこと。年齢も男女の別も問わない。本格的なカメラでススキを撮っている人もいる。「この前ここに行ったよ」と言ってた見せてくれた写真がススキの写真だったこともある。
香港に来たばかりの頃、赤や黄色に色づく木の葉が見れず、日本の秋を恋しく思ったが、イヤイヤ香港ではススキを愛でるものだったのだ。もう長いこと香港にいるけど、やっと気づいた「香港の秋」だった。
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ススキだけじゃない、香港で見つけた“小さな秋”の写真も