香港時間 - Hong Kong Time -

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1日の感染者100人突破、医療システム崩壊の懸念も

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7月19日、新型コロナの新たな感染者が初めて100人を超えて108人となった。市中感染ケースも83例に達し、一日あたりの感染者数と市中感染者数が共に過去最高を記録する事態となった。(冒頭の写真参照)

 

専門医は今後数日間は新たな感染者数が100人以上の日が続く可能性があるとして市民に注意を呼びかけている。衛生防護中心では、この状況が続けば香港の医療システムが崩壊する可能性があることも示唆。香港政府は防疫措置の強化を発表するとともに、不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。

 

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(緊急会見をする香港政府)

 

香港では、7月に入って市中感染者が急増。過去2週間で合計519人が感染しているが、うち411ケースが市中感染者だ。複数の老人ホームやレストラン、公共住宅、学校、医療機関などで集団感染が起きている。新たなケースは、家での麻雀、誕生日パーティー、宴会などで感染者が出ている。

 

政府は、7月21日までに設定していた、午後6時から翌朝5時までの店内飲食禁止措置や、ジムや娯楽施設などの閉鎖措置を1週間延長する。公務員は明日(7月20日)から再び、在宅勤務を優先させる。更に、公共屋内施設でのマスク着用の義務化も検討する。

 

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(明日7月20日からの公務員の勤務体制)

 

林鄭月娥・行政長官は、今後も事態が悪化していくなら、海外の多くの都市が実施したように「ロックダウン」もありうるという。

 

わずか2週間ほどで感染者が急増している背景として、衛生防護中心では、多くのケースが、一人の感染が確認された時点で、すでにその家族も感染症状が出ていて、彼らの濃厚接触者を追跡した時にはすでにその人たちも感染症状が出てしまっていること。そしてその人たちも、すでに別の誰かを感染させている可能性がある、という中で、濃厚接触者を隔離して、感染拡大の芽を摘むことが難しい状況に陥っているからだという。

 

また、最近の感染者の傾向として、今年3月時点と比べて、ウイルスの含有量が多い上、ウイルスの感染力が高まっているという。このため、マスクをしていても、数分間ウイルス保有者に接触しただけでも感染してしまうようだ。

 

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(医療システムが崩壊するのか?と伝えるCATVニュース)

 

衛生防護中心では、もしこの感染状況が続いたら、医療システムの崩壊につながりかねないという。不要不急の外出を控えて、室内を清潔にし、体調がおかしいと感じたら、すぐにクリニックや病院で診察するよう呼びかけている。

 

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香港市民は、2003年のSARS(重症性呼吸器症候群)の経験を生かして、1月から高い危機意識でこの新型ウイルスと闘ってきたが、ここにきて感染者急増は、気の緩みなのか? それともやはりこのウイルスが想像以上に手強いからなのか?

*写真は全てCATVから

 

【直近の香港での新たな感染者数】(  )内は渡航歴のない地元市民

 

7月19日現在の感染者合計:1886人。死者:12人

 

7月19日: 108人(83人)

7月18日: 64人(60人)

7月17日: 58人(50人)

7月16日: 67人(63人)

7月15 日:19人(14人)

7月14日: 48人(40人)

7月13日: 52人(41人)

7月12日: 38人( 30人)

7月11日: 29人(17人)

7月10日: 38人(32 人)

7月09日: 42人(34人)

7月08日: 24人(19人)

7月07日: 14人(9人)