香港時間 - Hong Kong Time -

香港の今を、日常から、写真と文で読み解きます

私がクリスマスに買った物

f:id:hongkong2019:20191226105515j:image

 

「これは、トルコ、レバノン、エジプトなどでも知られる魔除けなのよ」

 

 12月25日、香港島セントラルの埠頭から中心部に向かって陸橋を歩いていたら、金髪の外国人女性がアクセサリーを売っている。覗き込むと、鮮やかな青色が目に飛び込んできた。しかも、青色、水色、白色の組み合わせで目玉の形をした物がズラリと並ぶ。以前ギリシャ旅行に行った香港人の友人から、土産でもらったペンダントヘッドと同じデザインだ。

 

商品を吟味し、価格交渉をしているフィリピン人女性に「これギリシャ名物だよね?」と聞くと、彼女は冒頭の説明をしてくれた。すでに数個持っているのだが、別のデザインの物も欲しいのだという。複数持つとは、そんなに御利益がある、すごい魔除けのお守りなのか?それとも、そんなに沢山の厄が彼女の身に降りかかってきているのか?

 

f:id:hongkong2019:20191226110206j:image

 

これまで私は、この青眼のデザインはギリシアの有名なお土産程度にしか思っていなかったが、商品の説明書きは、英語で「Evil eye」。つまり「悪魔の眼(邪視)」とある。 そして、今日初めて、この青眼は、ギリシャだけでなく、地中海周辺国を中心に中東や欧州でも知られる魔除けのお守りなんだと知った。悪意を持って相手を睨みつけることにより、災いを遠ざけるという、民間伝承の信仰らしい。 考え方は、香港の、自分に害を及ぼす人を「小人」と称して、呪文を唱えながらスリッパなどで叩きまくる「打小人」と同じだ。護身用という点では、中華圏の人が身につける翡翠と同じだ。形は違えど、この手の考えって世界共通なんだな。

 

f:id:hongkong2019:20191226105703j:image

 

私が選んだのは、冒頭の写真のキーホルダー。青眼だけだとグロテスクな感じだが、銀色の象さんに青眼を着けると、とても可愛い。それだけでなく、「ここで魔除けに出会ったということは、『2020年に災いが及ばないようにお守りにしろ!』という神のお告げか? クリスマスだし」などと勝手に解釈。香港人は何事も縁起を担ぎたがるが、香港生活が長い私も、気がつけば、フィリピン人に続いて財布からお金を取り出していた(笑)。

 

f:id:hongkong2019:20191226105726j:image

アクセサリーを売る女性は、トルコ人だった。そして商品は彼女のハンドメイドだ。

-----------

2019年12月25日。私は生まれて初めてトルコ人と言葉を交わした。この青眼、トルコでは「ナザール・ボンジュウ」、ギリシャでは「マティ」と言うそうだ。とにかくこのキーホルダー、可愛くてとても気に入っている。何より魔除けだし。50香港ドル(約700円)でこれほど幸せな気分にしてもらえるなんて、魔除けのパワーは半端じゃないかも。早速、「2020年、沢山の災いから私を守ってくれますように!」と願いをかけた。

 

#香港 #ナザール・ボンジュウ #マティ #魔除け #香港クリスマス